はじめに

“機関投資家”が参入しない理由

なぜ時価総額が100億円未満の会社の株には強敵が集まらないのでしょうか?

ここでいう強敵とは、主に機関投資家や外国人投資家を指します。〝大量の資金を持つ大口投資家〞を、機関投資家と呼んでいます。機関投資家は投資信託などを運営するファンドと呼ばれる運用機関や銀行、生命保険会社などの投資のプロ集団です。

彼らは投資の専門家ですから、一日中、それこそ交代制で24時間、世界中の市場に目を光らせています。高価な専門情報チャンネルを流しっぱなしにして、毎日数百億円単位の取引をするような、高い技能と知識を持つ専門職です。職業として投資をしている人たちなので、効率よくパフォーマンスが上がるように投資をします。

彼らには、投資に対する厳しい社内規定や国の法律のしばりがあります。ほとんどの機関投資家は、「時価総額が100億円以下の小型株には投資できない」という決まりを守らなければならないようです。100億円といわず、500億円以上のみ、の場合も多いかもしれません。

ごくまれにベンチャー企業に投資する場合もありますが、「ベンチャー企業に投資するファンド」として計画したものなどで、特殊例といってもいいでしょう。

このような社内規定があるのにはいくつか理由があります。まず、大きなお金を動かさないといけない機関投資家は、小型株では投資できる金額に限界があります。

というのも、時価総額の小さい銘柄に多額の金額を投資すると、その「買い注文」だけで株価が上昇してしまいます。売る場合も、自分の「売り注文」だけで株価が暴落してしまうのです。これでは、効率のよい投資ができません。

また、運営金額が数千億円以上あるファンドを回していると、1億や2億円の投資では、パフォーマンスがなかなか上がらず、投資効率が悪いです。彼らはプロ集団なのでそんな投資自体しません。

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