はじめに
目標からライフプランを考える
では、今後の生活設計をしていく上で、何を考えて行けば良いのかについて、整理してみましょう。経済的な目標は大きく4つです。
〇養育費の支払い
〇親戚への返済
〇住宅ローンの返済
〇老後資金準備
養育費と親戚への返済は必ず必要な資金です。合計1,110万円ほどをしっかりと確保した上で、ローンの返済や老後資金準備が必要です。現状、家計の中でそれなりの負担にはなっていますが、ご自身の収入の中から確保することが出来ています。安定して収入が続くのであれば、そこまで気にする必要はなさそうです。
無理な繰り上げ返済のしすぎに注意
住宅ローンの返済計画を考える時に、ライフプランに合わせた返済を検討していく必要があります。ローンを抱えると「借金なので早く返さなきゃ」と考える人も少なくありませんが、あまり頑張って繰上げ返済をし過ぎると、他の経済的な支出が必要な時に、資金不足になってしまうこともあります。返済目標時期を決め、それに向けて、その他の経済的な目標とのバランスを考えながら返済計画を立てましょう。
ご相談者の場合、特に住宅購入して初めの数年は、親戚からの貸付金の返済や、お子さまの養育費の支払い負担の割合が大きいです。手元資金が無い中で、あまり大きな繰上げ返済をしていくと、手元資金が無いため、何かアクシデントが起こってしまうと対応出来ません。
現在、親戚への返済50万円と、養育費15万/月がある中で、年間貯蓄が60万円出来ています。収入や生活費が変わらない前提だと、段階的ではありますが、最終的には今よりも230万円貯蓄が増やせ、約300万円の貯蓄が出来る計算となります。
借入年齢47歳で借入金額3,600万、変動金利0.45%返済期間32年とすると、月々の返済が約10万円となります。そこに管理費・修繕積立金・固定資産税で年間40万円程掛かるとすると、今の住居費よりも約50万円負担が増えるので、実質年間貯蓄は、250万円/年ほどになります。
これらを踏まえて、60歳で住宅ローンを完済するためには、どういったペースで返済をしていけば良いか考えてみましょう。