はじめに

サムスンの新方式有機ELで日本企業にも注目

テレビ分野ではサムスンディスプレイが開発中の新方式有機ELが注目されます。

これは「QD-OLED」と呼ばれる技術で、サムスンディスプレイは日本円にして約1兆円を投資しテレビ向けに量産を行っていく考えです。QD-OLEDは青色発光材料のみを使用しますので、保土谷化学工業のような青色発光材料のサプライヤーにとり大きな貢献をもたらす可能性があります。

もちろんディスプレイには赤色や緑色の光も必要ですが、QD-OLEDで青色の光を赤色や緑色に変換するのが量子ドット(QD)と呼ばれるナノ粒子です。

このナノ粒子の原料を供給するとみられるのが日本化学工業です。同社はリン化合物など無機化学製品を得意とするメーカーですが、量子ドットの原料にもリン化合物が使用されますので、恩恵を受ける可能性が高いと考えられます。

有機ELは折り曲げ可能なフレキシブル性をもたすことができ、フォルダブルやローラブルなど新たな機能を持ったディスプレイにも展開可能です。有機ELは2021年における注目デバイスであり、上述の化学メーカーの注目度も高まると期待しています。

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