はじめに

強気予測の理由は5G

どちらかといえば保守的なSEMIがここまで強気な予測をしているのは、今後「5G」の普及が加速することが背景にあると思われます。

5Gは、2019年後半に米国からサービスが始まりましたが、まだ、世界的にみて一部地域でしか5G通信網が整備されていません。5Gスマホを買ったのにそのメリットを体感した人はほとんどいないというのが現実です。

足下がそういう状況ですので、自動運転、遠隔医療、最近注目されている太陽光、風力、地熱などの再生可能エネルギーの管理、そして、農業、漁業など第1次産業のハイテク化などが実現するのはまだこれからということになります。

したがって、5Gを起爆剤とした半導体需要拡大、そして、その拡大する需要を満たすための設備投資もこれからが本番――これがSEMIのベースシナリオと思われます。

製造装置3本柱を軸に素材系にも注目

半導体関連銘柄の多くは2020年に市場平均を上回る上昇を達成しましたが、中期的な成長ポテンシャルの高さを考えると、2021年も相場を牽引すると思われます。そして、その中心が、半導体製造装置ということも変わりません。

東京エレクトロン(8035・東証1部)、レーザーテック(6920・東証1部)、アドバンテスト(6857・東証1部)のほか、SCREENホールディングス(7735・東証1部)なども追い風が強まると思われます。SCREENホールディングスは収益性で見劣りしますが、追い風により利益率がアップすれば、株価は期待を上回る可能性があります。

今回は半導体製造装置について述べましたが、追い風は半導体素材系にも吹いています。信越化学工業(4063・東証1部)やSUMCO(3436・東証1部)などを中心に、トリケミカル研究所(4369・東証1部)や東京応化工業(4186・東証1部)なども注目したい銘柄と考えます。

<文:投資調査部 斎藤和嘉>

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