はじめに
「ドルコスト平均法」と「インデックス投資」
そもそも、投資で失敗をしないためには、株価がいつ安いのかを確実に見極めなければいけないのでしょうか。それとも、上がるか下がるがイチかバチかという勝負を毎回しなければならないのでしょうか。
それでは「投資」でもなく資産形成とは程遠い世界になってきます。投資をするうえで一番重要なのはリスクをいかにコントロールするか、減らすかということなるのです。
そこで、長期投資という観点で資産形成を考えるのであれば、「ドルコスト平均法」と「インデックス投資」が一番楽でリスクが少ない投資方法といえるのではないかと思います。明日高いか安いかもわからず、1年後にいくらになっているのかわからない株価を相手にするにはリスクはつきものですが、この二つの方法を取ればリスクは極端に少なくなるのです。
“指数”を買うインデックス投資
「インデックス投資」ですが、これは例えば日経平均を買う、東証株価指数(TOPIX)を買うというような株価指数を買うものです。日経平均は東京証券取引所に上場している銘柄のなかから225銘柄を選定して算出する指数です。
つまり、日経平均を買うということは225銘柄を買うということ。TOPIXは東京証券取引所に上場している銘柄のなかで、比較的規模の大きな取引所第一部に上場している銘柄を全て買うということになるのです。
実際にはすべての株を買うわけにはいきませんから、投資信託という形になります。投資信託は株の缶詰ですが、運用する人や人工知能(AI)などの優劣によって運用成績が変わってしまいます。株価指数に連動する投資信託であれば、単純にその指数に組み入れられている銘柄を買うので、運用のうまい下手は関係なく運用できるのです。
こうした指数に連動した投資を「パッシブ運用」とか「インデックス運用」というのですが、人やAIなどが運用するよりも長期投資の場合では常に利益が大きいといわれます。
もちろん、優秀な運用者が運用する方がいいのですが、優秀な運用者でも得意とする相場とそうでない相場がありますし、調子の良い時と悪い時があるでしょう。インデックス投資は、株価指数算出の対象銘柄の入れ替えなどが適切に行われ、上昇が続くと考えるのであれば、長期投資とすればリスクが少ない投資といえるでしょう。