はじめに

ライフプランを考え、目的別にお金を整理する

まず、今回満期になる400万円の次の預け先を考えるにあたり、今後のライフプランを考えてみることが大切です。そして、ライフプランを踏まえた上で目的別にお金を分けてみましょう。

目的別にお金を分ける時には、まず、お金を「日々出入りするお金」「5年以内に使い道が決まっているお金」「10年以上使わない将来のためのお金」に分け、それぞれ別の口座や金融商品、方法で貯めるという仕組みをつくりましょう。

3つの目的別のお金について

日々出入りするお金とは、もしもの場合に備えるお金や日常生活費です。もしもの場合に備えて、生活費の6カ月〜1年分は確保しておきましょう。できれば1年分を目指せると、急な病気やケガで働けなくなったり、リストラや転職など人生の転機が起こったりしてもあわてなくてすみます。ご相談者さんの1か月の生活費は30万円程度ですので、1年分となると360万円が必要になりますが、既に貯金が1,200万円あるので問題ありません。日々出入りするお金は出し入れしやすい普通預金口座で貯めておくとよいでしょう。

また、家を買うための頭金や留学費用など、5年以内に使い道が決まっているお金があるなら、使うまでに時間はありますが、使う時に元本が割れていると困りますから普通預金よりも少し利回りがよく安全性が高いという視点で金融商品を探します。定期預金や個人向け国債などが選択肢としてあげられます。ご相談者さんの場合、既に住宅も購入されているようですし、現在のところ5年以内に予定しているイベントはないようですね。

老後資金など、10年以上使わない将来のためのお金は、使うまでに時間の余裕があるので、元本が割れる可能性はあるけれど、大きく増える可能性がある投資商品で運用すると良いですね。ご相談者さんは、すでにiDeCoやつみたてNISAを上限金額までやっているとのこと。ここもしっかり準備ができていますね。

とはいえ、ご相談者さんの今後のライフプランを考えると、10年以上使わない将来のためのお金の部分を強化しても良いかもしれません。ですから、定期預金400万円の次の預け先の候補としては、「お金を増やす」という観点で選んでみてはいかがでしょうか。

まとまった資金の活用先案その1、社債

まとまった資金を上手に運用する手段として「債券」は安全性が高く魅力的な商品です。債券の中でも密かに人気があるのが「個人向け社債」です。

個人向け社債は、個人向け国債の会社バージョンだと考えるとわかりやすいでしょう。つまり、会社が個人に向けて発行する債券です。この社債を買うと、定期的に利子がもらえるうえ、満期になったら償還されてお金が返ってきます。

魅力は個人向け国債よりも高い金利が見込めることです。たとえば2020年4月に発行されたSBI債(第40回SBI債・満期2年)の場合、年利は0・60%(税引前)。100万円分買えば、2年後の元本と金利の合計金額は101万1,980円になります。ただし、社債を発行する会社が万が一倒産したら、元本が戻ってこない可能性もあります。ですから、その会社が安定しているか、成長しそうかを確認する必要があります。

個人向け社債には、多くの場合格付け機関による格付けがつけられています。格付けは元本や利子が返ってくるかという信用度を表すものです。格付けが高ければ絶対安全、というわけではありませんが、投資の参考にしてください。

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