はじめに
中期的にも取り組まれる国土強靭化政策
日本は、その地理的、地質的特性から、度重なる大規模自然災害によって様々な被害がもたらされてきました。将来的には南海トラフ地震、首都直下地震等が発生する可能性が指摘されています。
さらに今後は、高度経済成長期以降に整備された国内のインフラ施設が建設後50年以上となる割合が加速度的に高まり、老朽化が進む見通しもあります。
このような環境においては、ひとたび大規模な自然災害が発生すれば、国土の広範囲に甚大な被害をもたらすことになります。自然災害やインフラの老朽化による被害を最小限に抑え、安心・安全な国づくりを行うためにも、中期的に取り組まれる国土強靭化と関連する企業に注目してみてはいかがでしょうか。
様々な防災関連企業に追い風
国家強靭化政策の推進は、様々な防災関連企業にとって追い風になりそうです。個別銘柄では、大成建設(1801・東証1部)や大林組(1802・東証1部)などの大手ゼネコンのほか、セメントの太平洋セメント(5233・東証1部)、道路舗装のNIPPO(1881・東証1部)、橋梁やトンネルなどの補修工事を行うショーボンドホールディングス(1414・東証1部)、河川・道路補強を行う前田工繊(7821・東証1部)、土砂崩れを防ぐ製品を扱う岡部(5959・東証1部)、道路・ダム・港湾などの土木工事を手掛ける日本国土開発(1887・東証1部)等に注目しています。
無電柱化工事で実績を持つ協和エクシオ(1951・東証1部)、上下水道コンサルタントのNJS(2325・東証1部)、地質調査を行う応用地質(9755・東証1部)、ドローンを開発する自律制御システム研究所(7856・東証マザーズ)、スーパーコンピューターに強みをもつ富士通(6702・東証1部)等も注目企業と言えるでしょう。
<文:投資調査部 川崎朝映>