はじめに
「会社四季報」や各出版社の株主優待ムックを見てみよう
一方で、会社名からではなく、そもそもどんな優待があるのかを調べていきたいということでしたら、会社四季報を一冊お手元においてはいかがでしょうか。ちょうど3月に発売されますから、最新号をもとに上場企業の状況を確認していくとよいです。細かいことは抜きにして、優待だけ知りたいのであれば、四季報の最後の方のページに優待が掲載されている一覧表があります。最新の優待には何があるのか、どんな会社どんな優待を出しているのかが一目瞭然で分かるようになっていますから、活用されるとよいです。
ただし、四季報は字が小さく、また株価に対してどの程度の優待価値があるかなど、詳しくご自身で調べるには若干手間取るかもしれません。そうした手間を省き、できるだけお得な優待のみを知りたいということでしたら、出版社各社が出している株主優待の最新版のムック本などを参考にされるとよいと思います。そうしたムック本には、株価に対して優待や配当の利回りがどの程度か、何がお得なのか、といったことがまとめられています。
人気株は購入タイミングに注意
どれを活用するかは人それぞれですが、投資初心者でわかりやすいのはムック本かもしれません。ただし、注意点は、そうした本をもとに優待狙いで株式を購入する人は多く、買おうと思ったころには既に株価が上昇していたというオチがあることもしばしばあります。そのため、株主優待時期を見定めながら、先に買い回りができるように、例えば3月決算の株主優待であれば1月に買うなどタイミングを決めて買っていくのも一つの方法です。
また、優待利回りの高い企業の株価は、上昇・下落に一定のセオリーがある場合もあります。優待時期が近くなると株価が上がるといった現象です。そうしたクセも知っておくとさらにどの時期に買っていくのが効率的か、効果的か判断もできるようになると思います。
投資の上限の決め方は?
次に、どのぐらい投資をしてもよいものか。これはなかなか判断しづらく、ご本人の投資に対する許容範囲がどの程度あるかによって変わってきます。既に不動産投資を行われているため、不動産の比率が資産の中で高まっていると思います。そのため、株式や預貯金の比率を高めバランスをとっていくことが望ましいと考えます。
現状ではNISA、iDeCoあわせても預貯金額や不動産投資額に比べて低いため、例えば年間で100万円分は株式投資関連に充てる、うちおよそ50万円は個別株式へ投資するといった具合に行ってみてはいかがでしょうか。この他、貯蓄額のうち例えば半分は預貯金で確保する、残りを投資部分に回すといったスタイルであったり、3分の2は貯蓄へ、3分の1は投資へといったスタイルでもよいと思います。
また、欲しい株式があれば、年間で枠を決めてその中で買っていくのでもよいと思います。ローンもないことからリスクはある程度とれるものの、老後資金の軍資金も確実に確保する必要があります。お得な優待をもらいつつ、楽しめる投資としていくことが望ましいでしょう。決して無茶なことはしないでくださいね。
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