はじめに
今、大学4年生で就職活動に奮闘している方、晴れて4月から無事社会人となり、やっと仕事にも慣れてきた方、はじめて一人暮らしを始めた方……。そんな女性に向けて朝ごはんから始める暮らしのヒントについてお話しします。
大学時代の私は食には無関心
現在、私は実家暮らしをしていますが、2年くらい前までは一人暮らしをしていました。一人暮らしのときは食事を気にかけてくれる人なんていませんし、自分で自分を管理しなくてはいけません。ということは、別に何をいつどんなふうに食べていようが、自分の勝手。自分の責任。なので、正直私は「食」というものに関心がありませんでした。
人と食べるご飯にはこだわりもありましたが、自分一人で食べるご飯には無関心。カップ麺の日もあるし、コンビニの日もあるし、レトルトのカレールーだけを放り込む日もありました。
特に就職活動の時期は、忙しいうえにお金もなかったこともあり、外では決まってマクドナルド。家に帰っても、C1000やチオビタでお腹をみたし、ビタミン剤とポカリで済ます日々。でも、ときたま無償になにかを食べたくなるときはカップ麺を2つ胃に流し込むように食べていた日もありました。
今振り返ると、「なんてひどい食生活なんだ!」と笑えませんが、そんな食生活を送っている一人暮らしの学生や社会人の女性は少なくないのではないでしょうか……?
社会人になってからは菓子パンループにどっぷり
社会人になって実家生活に戻ってからも大して変わりません。
私は早起きが得意な方でもなく、むしろできる限り寝ていたいので、出勤のギリギリまで眠って、10分で支度をし、朝ごはんはパンを食べながら自転車を急いでこぐ。そんな漫画のような毎日が日常茶飯事。
なんとなくお腹がすかない日は炭酸ジュースでごまかします。夜は晩御飯を食べてからもお腹がすく日々が続き、毎日菓子パンを3個、4個、5個とどんどん日を追うごとに増えていきました。
「どうにかしなきゃなぁ……」と思いながらも食べてしまう。「痩せたいなぁ……」と思いながらも食べてしまう。
きっと学生の頃に過食症になったこともあってか、うまく自分の食欲をコントロールできなくなってしまっていて、そんな自分に嫌悪感。「できない自分」だけが残っていく。
そんなボロボロのときに出会ったのが「山口飲食」という料理教室と発酵食でした。
なぜ菓子パンループにハマってしまったのか
実は、私の主食だった菓子パンは、かなり糖度の高い食品。
そのため、分解されたブドウ糖が一気に血液へと送られ、血糖値を急上昇させてしまう。すると今度は、血糖値を下げる働きを持つインスリンが大量に分泌され、血糖値は一気に下降してしまい、すぐにエネルギー切れ状態になってしまう。
つまり、ちょうど仕事が始まって2時間くらい過ぎた頃には、集中力が切れ、眠くなったり、だるくなったり、思考力も低下してしまう……。
「食べているのに、すぐお腹がすく」
なんと夜の菓子パン無限ループの原因は、朝ごはんから始まっていたんです!
どうして発酵食にこだわるの?
私の周りには、納豆をつくる人も、甘酒をつくる人も、もろみをつくる人も、塩麹や醤油麹が好きという人もなかなかいません。そんな24歳の私が、なぜおしゃれなカフェごはんよりも発酵食をつかったおうちごはんにこだわっているのか?
まず、腸内環境を整えると、以下の点で美容にも身体にも適しているといわれています。
1:栄養素がきちんと消費されるので、新陳代謝がよくなり、痩せやすくなります
2:肌の乾燥、ニキビなどの肌トラブルに悩みにくくなります
3:私たちの身体を病原微生物から守ってくれる常在菌を強くしてくれます
さらにその腸内環境を整えるのに最強の相棒が、「発酵食品」だということ。
さて、ここで発酵食品の素敵なまめ知識です。
1.腸内細菌の集まりである腸内フローラの栄養源になります
2.胃酸に弱い発酵食品でも、腸の中で善玉菌のえさとなって、善玉菌を増やし、腸内環境を整えてくれます
3.滋養の宝庫です
4.うまみを倍増してくれます
5.発酵させることで、比較的長期にわたって保存が可能になります
「発酵食品×腸内環境」は最強で最高のタッグなんです。
私はこの発酵生活を続けてまだ4ヶ月くらいですが、以下のような自分になれました。
*放っておくだけで美味しくなる発酵食品のおかげで、朝ごはんを毎日作り続けることができています
*自分で作ることで、以前より丁寧に暮らすことができるようになりました
*どうしても仕事が繁忙期になると病気がちだった身体が病気知らずになりました
*体重の上がり下がりが常に5キロくらいありましたが、今では太りにくくなり、体重も4ヶ月で4キロ減りました
*季節の変わり目になると毎年肌荒れに悩んでいましたが、今年は肌荒れ知らず
朝ごはんのおかげで私の食生活は180度変わった
こうして発酵食と出会えたことで私は、以下のようなことが当たり前になりました。
- 業務用菓子パンを一切食べなくなりました
- お菓子を食べたいと思うことがなくなりました
- カップ麺を無性に食べたいと思うことが確実に減りました
- 朝起きて朝ごはんを食べたい、と思うようになりました
- そのために出勤時間より1時間半早く起きることができるようになりました
(もちろん完璧人間ではないので寝坊もします笑)
半年前までの私は菓子パンを食べないと、イライラしていたのに、あんなに止められなかったのに、たった少しのきっかけと「変わりたい!」と思う心さえあれば、普通の24歳でも、こんな朝ごはん生活が送れます。
ズボラな私でも続く朝ごはんのヒント
私の朝ごはんはいつも前日の夜から始まります。大体は出汁の仕込みをして、副菜作りから。玄米を食べたいなぁと思う日は土鍋に仕込んでおきます。
副菜といっても、切って和えるだけのものか、ほったらかしてスチームにするだけのものばかり!
「切って和えるだけ」「スチームで蒸すだけ」で済むのも、発酵調味料たちのおかげでもあるのです。
自家製の塩麹や醤油麹、甘酒、おばあちゃん家のお味噌といった昔から日本の食卓にあった発酵調味料の力をお借りして、ズボラな私でも続く朝ごはんが完成します。
でも、この前日の下準備がとても重要なんです。
この前日に仕掛けておいた出汁のおかけで、冷蔵庫にある具材を切ってお味噌を溶くだけで済む。前日につくっておいた副菜のおかげでお皿に盛るだけで済む。
お休みの日はゆっくり玄米を土鍋で炊きます。この前日のたった30分くらいの準備だけで、こんな朝ごはんが30分もかからない作業で済む!
面倒くさがり屋で、できるだけ寝ていたい……そんな私にもピッタリの朝ごはんを続けられる方法を見つけることができました。
朝ごはんをなぜ大切にするのか
私が大事にしている言葉があります。
「you are what you eat」
あなたはあなたが食べたものでできている
私以外の誰も、私の人生をよくしてくれる人なんていません。私の身体も心もそう。自分で選んで、自分が食べたものからこそ「今日の私」はできている。
だから私は朝ごはんから今日を、明日を、1ヶ月、1年後、もっとその先も素敵に生きる。そして昨日よりもちょっと丁寧に豊かに暮らす。そう決めています。
食生活に悩んでいる、朝ごはんに悩んでいる、そんなみなさん。まずは朝ごはんから、一緒に始めてみませんか?
発酵おうち朝ごはんから今日も明日もこの先も素敵な1日にしましょう!
文:吉岡春菜
「どんぐりと山猫」店主。徳島在住の24歳です。仕事で忙しい20代女性の方に向けて「台所の発酵おうちごはんから自分と家族、彼や未来の子供のための昨日よりちょっと丁寧で豊かな生活をつくるお手伝いがしたい」そんな料理レッスンを準備中です。暮らしの雑貨や道具も取り扱う予定。インスタグラムやブログで日々の暮らしや朝ごはんをお届けしています。