はじめに

受給額が大きいほど、税金・社会保険料の影響が出やすい

次に受給額が多い人が、繰下げ受給をするとそれなりに手取りが減る傾向があります。といっても、20%ぐらいです。

たとえば、65歳での受給額は年180万円だったとして、70歳まで繰下げ受給をするとが255.6万円になりますが、手取りが20%少なくなれば、約204万円です。

額面は255.5万円ですが、手取りが204万円だったとします。それでも180万円から24万円の増額です。この増額分が一生涯続くので長い目で見ると大きな差になります。70歳から95歳まで生きたとしたら、25年間の総額は600万円になります。

手取りが減るのはイヤだからといって、この「得」を捨ててしまっていいのか。たとえ税金や社会保険料が増えたとしても、繰下げ受給はけっして「損」ではないのです。

会社員で考えると、給料アップをすると言われて、所得税・住民税、社会保険料が上がるので給料を上げないでほしいと言う人はいないと思います。繰下げ受給も考え方は似ています。

年金とは「長生きに備えた保険」

年金というのは、長生きをしたときの保険なのです。ということは、早死をしたときには、たしかに支払った分を取り戻すことはできないでしょう。

しかし、死んでしまうのだから、お金に困るということはなくなります。ところが、長生きをした場合には、老後資金が尽きてしまってお金に困るということが起こります。そのための「保険」なのです。

老後の生活は、年金額で明暗を分けるということを冒頭で述べました。「人生100年時代」です。老後の生活を安定させるためにも、「得」の多い可能性を選んだ方がいいと思います。

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