はじめに

2018年に厚生労働省はモデル就業規則を改定し、これまで“原則禁止”だった労働者の兼業・副業の実施は“容認”へと大きく風向きが変わりました。さらに2020年には、働く人も企業も安心して兼業・副業を実施するためのルールを明確化した「兼業・副業の促進に関するガイドライン」が発表されました。

従業員の兼業・副業を認める企業も増加しており、兼業・副業への関心が高まっています。リクルートが全国の正社員を対象に行った「兼業・副業に関する動向調査」(2020年12月実施)では、全体の41.8%の人が「今後副業をやってみたい」と回答しました。年齢層別では30~34歳が最も高く、半数を超える50.3%の人が副業に興味を示しています。

はじめて副業を実施する人にとっては、どれくらいの収入が得られるかは気になるところです。実際に副業をしている人はどれくらい稼いでいるのでしょうか。さらに、満足度の高い副業を実践するためのコツをみていきましょう。


1ヶ月の副業収入は「5万円未満」が45.9%

今回の調査では、すでに副業をしている人に副業の収入と数を聞きました。副業から得られる1ヶ月の報酬は「5万円未満」が最多で全体の45.9%、次に「5~9万円」が25.6%という結果でした。副業の数は「1つ」が79.6%と多数を占めました。副業をしている人の多くは、1ヶ月の副業収入は10万円未満であり、実施している副業は1つであることがわかります。

副業収入の大小が満足度に直結するわけではない

次に副業の収入と満足度の関係を見ていきましょう。調査では、副業の満足度を4つの項目(キャリア形成面・収入面・やりがい面・成長面)で確認しています。これらの4項目を合成した総合的な「副業満足度(最小値1, 最大値5)」と副業の収入の関係を分析しました。グラフは、副業収入のグループ別に副業満足度を図示したものです。

グラフをみると「5万円未満」から「10~14万円」にかけて副業満足度の数値は高くなり、そこからは副業収入が上がっても副業満足度は横ばいであることがわかります。これは、副業収入の増加は一定水準までは副業満足度の向上と関係があるものの、副業収入が高くなれば副業満足度も高くなるとは必ずしも言えないことを示しています。

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