はじめに
まずは生活防衛資金を貯めることが目標
将来の目標のために200万円貯めたい、投資もしたいということですが、将来使うお金を貯めていくにも、今の生活を守れなければ、実現することはできません。例えば今のままで病気をして仕事に行けなくなれば、何の保障もなく収入が減るだけという状況だと思うのです。そこをカバーできる資金を持つ必要があります。
生活防衛資金は、毎月の生活費の6か月から1年分持ちたいところ。ご相談者の生活費は25万円ほどですから、150万円から300万円といったところです。そしてこのお金を簡単に崩さないよう、毎月の生活費は1.5か月分用意します。イレギュラー支出にも対応できるよう、0.5か月分は予備費として置いておくのです。そう考えると、ご相談者は少なくとも190万円ほどないと生活をやりくりしながら生活防衛資金を持つことができないということになります。結構な金額ですね。その上で目標となる金額を貯めるというのが、理想的です。
投資はこれらのお金が溜まってから始めましょう、というのが正しい考え方なのですが、目標とする金額を貯める期間よりもっと先を見据え、貯金と併走させながら投資信託の積立投資をするのも良いでしょう。時間を味方につけ、資産を増やせる可能性が高いからです。貯金の延長線上にある、効率よい貯め方の一つと考えてよいでしょう。
ただ、貯金を作る、投資を始めるにも、今のままでは実現できません。やるには支出を見直し、削減して、余剰金を作ることに取り組まなくてはいけません。
自己投資が家計を圧迫
全体的に、支出はよくコントロールできています。家賃も安い物件、食費もそう多くない。ですが、自己投資がかなり多く、家計を圧迫しています。教育費、交通費、被服費などを自己投資と分類すると、それだけで11万円を超えてしまいます。
この支出が大きくなっている部分を、まず見直してみましょう。習い事はすべて必要なのか、交通費をかけて通う価値など、細かく見たり、総合的に捉えたりしながら考えていきましょう。将来の目標につながるものかどうかという視点も持ちたいものです。
なりたい自分になるために自己投資をすることはもちろん必要ですが、何でもかんでもやればよいというものでもありません。優先順位をつけてみて、下位のものは違う形で学ぶということも検討できます。いまではスマホアプリや動画サイトなどでお金をかけずに学ぶ手段もありますから。
また、通信費やサプリなども見直し、契約プランの変更など検討してみるとよいでしょう。さらに気になるのは無保険の状態であること。万が一病気をすると、貯金はあっという間になくなります。それを防ぐにも、掛け捨てのものでよいので、医療保険には入っておいた方がよいでしょう。