はじめに
IPOの当選確率を上げたいなら複数口座を開こう
とはいえ、ある特定の投資をしたいという人は、ひとつの証券会社ではなく複数の証券会社に口座を開いた方が良いと思います。
その投資とはIPOです。IPOとは「新規公開株式」のこと。つまり東証1部や東証マザーズなどに新規上場される株式にどうしても投資してみたいという人は、複数の証券会社に口座を開いた方が、IPOに当選する確率が高まります。
IPO投資は個人の間でも人気が高いのですが、その理由は、初値が公募価格よりも高くなるケースが多いからです。公募価格とは、IPOの抽選に参加して当選した人が買う時の株価です。そして、初値はIPO銘柄が上場された日に取引所で付いた株価です。
2021年にIPOされた銘柄の初値を見ると、その多くが公募価格を上回っています。3月18日から6月18日までの3カ月間でIPOされた銘柄数は27銘柄ありますが、その全てが公募価格を上回る初値をつけています。ちなみに4月15日に上場されたサイバートラストは、1660円の公募価格に対して、初値は6900円でした。16万6000円の投資額が、上場当日に69万円になったのです。
誤解のないように申し上げますが、すべてのIPO銘柄がここまで値上がりするわけではありません。とはいえ、多くのIPO銘柄の初値が公募価格を上回っているのを見れば、IPOの人気が高まるのも当然でしょう。
前述したように、IPO銘柄は申し込んだ人、全員に配られるわけではありません。人気が高いので抽選になります。
抽選ということは、ひとつの証券会社から申し込むのではなく、出来るだけ多くの証券会社から申し込んだ方が、当選する確率が高くなることを意味します。IPOに当選するという目的を達成するためにのみ、複数の証券会社に口座を開く意味があるのです。