はじめに

COVID-19対策でステイホームが推奨され、結果的にスマートフォン用アプリ関連の売上高が過去最高を記録するなど、世界的に市場拡大しました。特に、ソーシャル、動画ストリーミング、フードデリバリー、ファイナンスといった分野が好調です。消費者は今後もスマートフォンを多用するので、アプリからの利便性をいかに高められるかが事業展開の鍵になります。


スマホアプリの売上高が急増

2020年は、良くも悪くも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックに翻弄された1年でした。3密回避やステイホームといったCOVID-19対策で日常生活が変化し、テレワークや在宅勤務、オンライン会議の普及で働き方も大きく変わっています。その影響を受け、企業や学校ではデジタル化やオンライン化が急速に進み始めたようです。

さらに、消費や企業で行われるさまざまな活動がモバイル化しています。センサータワーが実施したスマートフォン用アプリの調査レポートによると、有料アプリ購入やアプリ内課金、サブスクリプション契約を合わせた総売上高が、全世界で1,110億ドル弱(約11兆5,396億円)の過去最高を記録しました。前年の852億ドル(約8兆8,574億円)に比べ30.2%もの増加です。

出典:センサータワー / Global Consumer Spending in Mobile Apps Reached a Record 111 Billion dollars in 2020,Up 30% from 2019

ゲームアプリに関係する売上高が多い状況はこれまでどおりなのですが、ビジネス、教育、エンターテインメントといったジャンルの成長が大きい1年だったそうです。

在宅勤務やオンライン授業でスマートフォンを活用する場面が増え、仕事や学習に役立つアプリへの依存が高まったのでしょう。さらに、外出せず自宅で快適に過ごそうとした人たちの消費意欲が、ゲームや映画、音楽などのアプリへ向かったようです。

2〜3年分の成長を1年で達成

スマートフォン用アプリに対する需要の増加は、ほかのデータでも裏付けられました。アプリ市場に関するデータプラットフォーム「App Annie Intelligence」を運営しているアップアニーの公表した(「モバイル市場年鑑 2021」からは、コロナ禍で拡大したアプリ市場のより詳しい状況が読み取れます。

世界支出額は1,430億ドル、前年比+20%

アップアニーの調査によると、2020年のアプリに関する世界支出額は前年比20%増の1,430億ドル(約14兆8,677億円)です。

以前の予測では、これだけ成長するのに2年から3年かかるとされていたそうですが、COVID-19の影響なのか1年で達成してしまいました。また、新規ダウンロード回数は前年比7%増で過去最高の2,180億回を記録しています。

アプリを利用する時間も長くなっています。Androidアプリのみのデータですが、世界的パンデミック期における1人当たりの平均日次モバイル利用時間は4.2時間以上で、前年同期間から2割増えました。米国では、2020年上半期に1人当たり平均で1日に4時間アプリを使っていたのに対し、同様のテレビ視聴時間は3.7時間にとどまり、初めてモバイルがテレビを超えました。

こうしたデータから、アップアニーは「世界的に消費者の物理的欲求、購買行動がオンラインの場に移行」し、2020年が「モバイルへのタッチポイントが加速した一年」だったとしています。

アプリの平均消費時間出典:アップアニー / モバイル市場年鑑 2021