はじめに

評価されるのは目の前にある仕事

三大欲求が満たされると、自然とモチベーションは上がっていきます。しかし、いつも三つが揃っているとは限りません。上司は優秀な人であっても、会社の制度やシステム、人間関係など、どうしようもないことがあります。 そもそも部下の立場では、給与体系や評価制度は変えられません。職場の人間関係を変えていくのも至難の業でしょう。

自分の力で唯一できることは「成長欲求を満たす」ことです。では、そのためには何をすればいいのか。

答えは簡単です。とくに若いうちなら「目の前の仕事を全力でやる」ことです。若い人のなかには「自分の望んだ部署に配属されない」「望んだ仕事がさせてもらえない」「大企業の歯車でやりがいがない」と不満を持つ人がいます。

では、「歯車として」どれくらい全力でやっているのでしょうか。居酒屋などでくだを巻いている人に限って、全力を出していません。目の前のことを全力でこなすこともせずに、希望の部署になど行かれるはずがありません。取引先や同僚、先輩や上司から評価されるわけがないからです。

コピー取りがいくらつまらない作業だとしても、よく言われるように一度「会議の資料づくりのプロ」になってみたらいいのです。「一生、雑用係でこき使われそうで嫌だ」と思うかもしれませんが、果たして本当に一生雑用係になるのでしょうか。あなたのがんばりを見て、「アイツに資料をつくらせておくのはもったいないぞ!」と上司や同僚の目を引くはずです。

「あの人はよくやってるよね」「彼を次のリーダーにしよう」

そうした評価を得るためには、目の前の仕事が仮にくだらなくても全力でやるしかありません。

池本克之(いけもと・かつゆき)
組織学習経営コンサルタント。株式会社パジャ・ポス代表取締役NPO法人Are You Happy? Japan代表理事。日本大学卒業後、マーケティング会社、通販会社の経営を経て、ドクターシーラボ、ネットプライスなどの社長を務める。年商3億円の企業をわずか4年で120億円にするなど、さまざまな企業の上場、成長に貢献し「成長請負人」と呼ばれる。経験に裏打ちされた「チームビルディング」「チームマネジメント」の手法は、「個人の力が最大限発揮されるチームになった」「部下がついてきてくれるようになった」などと高い評価を得ている。現在は7社の社外取締役を務めつつ、コンサルタントとして一部上場企業からベンチャー企業まで400社以上を指導。

著書に『「いまどき部下」を動かす39のしかけ』(三笠書房)、『今いる仲間で「最強のチーム」をつくる』(日本実業出版社)、『年収の伸びしろは、休日の過ごし方で決まる』(朝日新聞出版)等多数。

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(この記事は日本実業出版社からの転載です)

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