はじめに

日常生活や生き方を通して、お金の価値観を考えるきっかけになるような話題の本をMONEY PLUS編集部がピックアップ。書籍の担当編集者に読みどころやこだわり、制作秘話などを語っていただきます。

今回は、稲垣えみ子 著の『寂しい生活』をご紹介します。


『寂しい生活』稲垣えみ子 著


アフロヘアの自由人、元朝日新聞編集委員の稲垣えみ子さんが紡ぐ『魂の退社』の続編。電気代は月150円、洋服は10着、質素な食事、最大の娯楽は2日に1度の銭湯・・・・・・稲垣哲学をシンプルな言葉で綴った、生きる勇気がわく傑作エッセイ。
四六判/並製/296ページ/東洋経済新報社/2017年6月16日

担当編集者のコメント

前作『魂の退社』で稲垣さんは「会社を辞めるということ」の悲喜こもごもを綴りました。その後の稲垣さんの冒険物語が、この『寂しい生活』です。

電気をできるだけ使わないと決めた稲垣さんは、まず家電製品の電源プラグを抜き、節電生活を始めます。そして、ついには家電製品そのものを捨てる決心をするのです。掃除機をとっかかりに、電子レンジ、エアコン、洗濯機と、日常生活するのにあって当然の家電製品を廃棄し、あげくの果てには冷蔵庫まで捨て去ったのです。

そりゃあ、いろいろ大変です。でも、稲垣さんは創意と工夫と好奇心と実践、そして、そんな冒険のような毎日を「生きる」ことによって実感した哲学を武器に、日々充実した生活を送っています。

稲垣さんのような生活をしたいと願う人が多いとは思えません。しかし、孤独を感じている人、チャレンジしたいけれど一歩踏み出せずにいる人、他人の評価に振り回されている人、なにかわからないけれどもやもやと不安を抱えている人、そういう今を生きるすべての人の背中を、稲垣さんがやさしく押してくれます。

(東洋経済新報社 担当編集:永濱詩朗氏)

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