はじめに
本当はすごくない「変額保険」?
では、本題の『「変額保険」はすごいのか?』ということです。結論を言ってしまえば、特別にすごくはありません。
例を挙げながら、説明をします。
変額保険の中で、運用のパフォーマンスがもっとも良い世界株式型を選択した場合、この10年は15%以上のパフォーマンスを上げています(2021年7月)。株式市場は、新型コロナで一時期下がりましたが、かなり値上がりをしていることもあります。この変額保険で世界株式を設定している方は、増えていると思います。
ただし、先ほども説明しましたが、特別勘定の部分が増えているのです。ですので、支払った保険料が全部運用されているわけではありません。では、こんなにいいパフォーマンスを上げている商品と言うのは、他にないのだろうかということで調べてみました。
モーニングスターのファンドランキングの国際株式で10年間のリターンで検索してみました。
1位から20位ぐらいはまでは約16%以上のパフォーマンスです(2021年7月20日、20位までの検索)。この20位までの投資信託はいろんな商品が入っているので、簡単な比較はできません。
ここで言いたいのは、たしかに世界株式は良いパフォーマンスを上げています。しかし、他にも良いリターンの商品はあります。そして投資信託を利用すると、投資した金額の全額が運用に回るので、リターンはその分多くなります。
さらに、運用コストを見ると「変額保険」の方が割高になります。
というのは、信託報酬のほかにも、資産運用管理などがかかるのです。信託報酬というのは、投資信託でも毎年かかってくる費用ですが、それにプラスしてかかる上に、契約から一定期間内に解約をすると、解約控除という余計な費用がかかってしまいます。