はじめに
赤字改善のために支出の見直しは必須
平均的な家計状況を見ると、しっかりと赤字になっています。月平均6万円の赤字です。これではお金は貯まりません。支出の見直しが必要です。
お忙しく、管理するのは大変だと思われるかもしれませんが、支出額の多い食費、娯楽費などポイントを絞って支出の記録をしてみてはいかがでしょうか。無駄だと思える支出に気が付くのではないかと思います。そこで他の費目も気になったら着手していきましょう。固定費であれ、変動費であれ、今まで当たり前に支払ってきたものでも「無駄があるかも」と疑って、支出の内容を見直してみましょう。過去には必要だった支出でも、今ではさほど必要がなかったということも、あると思います。
経費も家計から出していれば家計の支出として計算を
また、支出が多すぎる中で、さらに支出を増やすような物件に転居することは、お勧めしません。「家賃は半分経費だ」というお言葉がありましたが、ご相談者ご夫婦の収入は経費をすべて除いた金額となっているでしょうか? 現状で、すでに自己負担すべき半分しか払っていないのかもしれませんし、今の支払額のうち半分が経費になるということなのかもしれませんが、どちらにしても今より支出額は増えてしまいます。
また、後々経費に計上できる支出でも、実際は家計費から支払っているのであれば、それは「経費」という区分けをすべきではない支出です。税計算の時に経費として計上できればよいだけで、家計から支払いをしていることに変わりはありません。生活においては、「経費」を必要以上に意識しないようにしましょう。
生活の「万が一」を守れる体制を
気になるのは、お二人とも国民健康保険、国民年金なのに、生命保険は夫が医療保険に入っているのみであるということ。
会社員の場合は、健康保険に「傷病手当金」という病気やけがをした時にお金を受け取れる保障がありますし、年金も厚生年金が上乗せされます。さらに、老齢年金だけではなく、遺族年金、障害年金にも上乗せされるのです。国民健康保険や国民年金はそういった保障や上乗せがないので、仕事ができなくなったら無収入になってしまいますし、万が一の時にもらえる金額も会社員よりも少なくなってしまいます。
ですから、この不足する保障の部分は、生命保険で補ったり、貯金でなんとかするつもりで貯めるなどしていかないといけません。ご相談者の家庭では、働けなくなった時の生活を維持するため、亡くなった時に残された家族の生活を保障するために、生命保険(死亡保障)への加入を検討することをお勧めします。高額な保障が必要だというわけではありません。不足するだろうと思える分だけ、備えられれば良いのです。
生活費に不足しそうな金額を目安に死亡保障で備える額を決める
国民年金加入者は、万が一どちらかが亡くなったりした場合、18歳以下のお子さんがいる時期に限り、配偶者は年78万900円、お子さんは18歳になるまで一人につき年22万4,700円(共に令和3年度の金額)の遺族年金を受け取れます。配偶者と子ども二人の場合、年額123万円、月にして10万円ほどです。遺族年金学と仕事で稼げる金額とを合わせた金額から、生活費に不足しそうな金額を計算して、死亡保障で備える額を決めましょう。