はじめに

2050年にかけた世界マクロの前提

「ネットゼロ排出シナリオ」では、2050年までに世界人口は20年から約25%弱増加して97億人に、一人当たりGDPは3.2万ドルに倍増する一方、エネルギーの経済効率は約3倍改善し、一人当たりエネルギー消費量も26%程度減少すると想定されています。

エネルギー関係では、太陽光発電と風力発電の年間追加容量が2030年に2020年の約4倍増、電気自動車の販売台数は同約18倍増、クリーンエネルギー投資額は2030年に2016~20年平均の3.6倍に増える見通しです。

官民によるクリーンテクノロジーに関する消費増が雇用増をもたらし、GDP成長率(2026~30年)は現行政策シナリオに比べて年率0.5%弱押し上げられ、電力・バイオエネルギー関連雇用は2030年に2019年から約1,400万人増加する見通しです。

世界の2050年ネットゼロ・ロードマップ

「ネットゼロ排出シナリオ」に沿ったセクター別ロードマップによると、電力・熱分野の重要なマイルストーンは以下の通りです。

(1)2021年にCO2排出削減対策のない石炭火力発電の新設を停止。
(2)2030年に先進国は排出削減対策のない石炭火力発電を段階的に廃止、太陽光・風力発電が年1,020GW増加。
(3)2035年に先進国の発電が全てネットゼロ排出。
(4)2040年に世界の発電がネットゼロ排出。
(5)2050年に世界の発電量の約70%が太陽光と風力発電。

その他の分野については、2030年の世界では、新建築物は全てカーボンゼロ対応、世界の自動車販売の60%が電動車、重工業でほとんどの新クリーンテクノロジーが実証される見通しです。