はじめに
ここまで業績が好調な企業を紹介してきましたが、一方で業績がやや冴えないのが証券会社です。野村ホールディングス(8604)は収益(売上に相当)が21%減、税引前四半期純利益が57%減とそれぞれ大きく減少しました。前年同期は株価が大きく下落したりその後急反発したりとマーケットのボラティリティが大きかったのに対し、今年は比較的株価が安定しているため収益機会に乏しかったとみられます。
最後に3月決算ではなく12月決算企業ですが、第2四半期の業績を発表したグローバルダイニング(7625)の業績をご紹介します。グローバルダイニングはイタリアン料理店などをチェーン展開していますが、国や都道府県からの休業要請を受け入れず酒類の提供を含めて営業を継続することを表明し話題を呼びました。第2四半期の売上高は前年同期比3.5倍の26億円、経常利益は5億円の赤字から3.5億円の黒字に転換しました。
さらに同社は今期の営業利益予想を5億円の赤字~0円の間から7.8億円の黒字に上方修正しました。同社の判断や方針には賛否ありそうですが、多くの飲食店が営業時間の短縮や酒類の提供を停止する中で通常の営業を行っていることで多くの顧客を獲得しているようです。
まだ企業の決算発表は序盤戦で、今後多くの注目企業の発表を控えています。企業決算は株価に与える影響が決定的に大きく投資成績に直結しますので、ぜひ皆さんも保有銘柄の決算を確認してみてください。
<文:マーケット・アナリスト 益嶋裕>