はじめに

扶養を外れる可能性がある証券口座には要注意

証券会社が決まったら、次に選択するのが口座の種類です。実は証券口座には一般口座とよばれるものと特定口座とよばれるものがあります。さらに、特定口座の場合、源泉徴収ありとなしを選択するので、実質3択になります。そして、ここで選び方を間違えるとAさんは社会保険の扶養を外れてしまう可能性があるため、注意が必要です。

表:一般口座と特定口座の違いと特徴

例えばAさんが1年間で大きな売却益を出した場合、一般口座や特定口座(源泉徴収無し)で取引を行うと確定申告を行う必要が出てきます。具体的には株式の売却益などを含めた所得(給与以外)が20万円を超えた場合です。

例えば、パート収入120万円以外に売却益など25万円の所得があると、ご主人の健康保険など社会保険の扶養を外れる可能性があります。ただし、扶養についての判断は健康保険組合などのルールによります。株式の売却益など突発的な収入は扶養の判定対象にならない、などと言われることもありますが、明確な決まりはないためグレーゾーンとも言えるのです。

確実なのは、健康保険組合に確認をすることですが、ご主人の会社に株式取引で利益が出た場合の扶養判定について確認するのは気が進まない人もいるでしょう。

そこで、確実な安全策は特定口座(源泉徴収有り)にすることです。売却益がいくらでても確定申告をする必要はありません。源泉徴収有りの口座では、証券会社が売却損益・税金の計算を行い、税金を売却代金から差し引いてもらえる仕組みだからです。

一点、注意することは、損失が出た場合には確定申告をしないと税金を多く納める可能性があります。売買をしてそのまま放置…ではなく、損益の状況はしっかり確認しておきましょう。

たかが口座開設と思ってしまいがちですが、選び方や証券口座の種類を選ぶまでは意外と大変ですね。Aさんは特定口座(源泉徴収有り)の口座をネット証券で開設することを決めたそうです。

株式投資を検討している方は、以上のポイントを参考に、自分にあった証券口座を選んでみてください。

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