はじめに
家賃が低かった時期と現在の家賃を比較すると?
全国のエリア別(札幌、仙台、東京23区、横浜・川崎、名古屋、大阪、福岡)に見ると、「直近で最も家賃水準が低かった時期」は、2009年から2013年の間にありました。この家賃水準が低かった時期と現在の家賃と比べてみると、多くのエリアで緩やかに上昇を続けており、2021年1-3月までに札幌+19%、仙台+22%、東京23区+22%、横浜・川崎+9%、名古屋+15%、大阪+25%、福岡+19%となっています。
ただし、仙台については、賃貸マンションが東日本大震災の避難先として使用された経緯から、震災後の家賃が急激に上昇しており、その後は、ほぼ横ばいで推移しています(図表2)。
また、東京23区の賃貸マンションの規模別に、「直近で最も家賃水準が低かった時期」と2021年1-3月を比較すると、シングルタイプ(18㎡以上30㎡未満)で+18%、コンパクトタイプ(30㎡以上60㎡未満)で+25%、ファミリー(60㎡以上100㎡未満)」で+26%も上昇しています。一般的に、市場に存在する賃貸マンションは数としてはワンルームタイプが多く、コンパクトやファミリーは少ないのですが、ここ10年ほどの家賃上昇局面においては、規模にかかわらず同様なペースで家賃は上がっています。
なお、シングルタイプとファミリータイプについては、直近では賃料は横ばいに近い動きになってきています。東京23区で、この規模の賃貸マンションについて、住み替えを考えている場合は、もう少し様子を見てもよいかもしれません(図表3)。