はじめに
米テーパリング年内開始見通しは変わらない
引き続き、ファンダメンタルズ要因の米テーパリング早期開始観測は、今後発表される米指標で、ころころ変わると思われます。しかも、米FRB当局者が「9月分の米雇用統計を見たい」と言っていることもあり、今回の8月雇用統計に執着する必要はなく、年内テーパリング開始見通しは変わらないであろうと筆者は予想しています
この先のドル円相場はどうなるでしょうか。筆者は引き続き、(1)日本企業による海外企業を買収するM&A案件がドル円を下支えする、(2)原油価格・天然ガス価格上昇(回復)による日本の輸入金額増、(3)昨年のパンデミック時のような日本の輸出企業の外貨資産取り崩しが無くなる、の3つを理由に、昨年から円安予想を維持しています。年内テーパリング開始見通しも米国債利回りを上昇させ、ドルを支えると思われます。
<文:チーフ為替ストラテジスト 今泉光雄>