はじめに

1,000万円を超える預金はペイオフに注意

「ペイオフ」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか?簡単にいうと、1金融機関1預金者あたりの元本1,000万円までとその利息等は預金保険制度の対象となるという制度です。預け先の金融機関が破綻しても預金保険機構から直接お金が支払われる「ペイオフ方式」があるため、私たちが預けたお金は保護されます。

しかし、保護の基準を超える部分は破綻先の金融機関の財産状況に応じるため、極端に言えば払い戻しされない可能性もあるのです。つまり元本1,000万円以上のお金が振り込まれた時は複数の銀行に分散して預け入れておく必要があります。

厚生労働省の中央労働委員会が行った賃金事情等総合調査(令和元年)によると、平均退職金支給額は、定年までの満勤勤続で2,289万5,000円と1,000万円を遥かに上回っていることからペイオフへの対策をしなければなりません。とは言っても、複数の金融機関に分散させるのは面倒だと思われる方もいるでしょう。そこでお伝えしたいのが「個人向け国債」の活用です。

国債と銀行預金はどちらが信用できる?

国債は、文字通り国が発行する債券です。その中でも個人向け国債は半年ごとに利息が支払われ、満期には元本が戻ってきます。日本の財政は安心なのか、と心配する人もいるでしょうが、そもそも国の財政が破綻=国債が暴落する時には、国よりも先に銀行が破綻する可能性の方が高いでしょう。そして何よりも個人向け国債はペイオフ対策にも有効で、元本と利子の支払いを日本政府が行うため、1,000万円+利息までといった限度額は設けられていません。

個人向け国債には3種類ありますが、現在のような低金利の時には「変動10」を選ぶのが有利です。というのも、今後保有している間に金利が上昇すれば適用される金利もある程度上がるからです。また、最低でも0.05%の金利が保証されているのでメガバンクの定期預金金利よりも高いことがわかります。

さらに、10年満期ではありますが、発行から1年経過後は中途換金ができます。1年経過して解約すると直前2回分の利子の一部が引かれるので実質1年経過すれば元本割れしないことになるからです。

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