はじめに

暗号資産ウォレットにはどんな種類があるの?

暗号資産のウォレットは、利用環境や秘密鍵の管理方法などの違いによっていくつかの種類があります。

●ウェブウォレット

ウェブウォレットとはウェブブラウザ上で利用可能なウォレットです。他のインターネットサービスと同様にウェブブラウザからIDとパスワードを使ってアクセスすることができます。最も気軽に利用できますが、秘密鍵の管理をサービス業者に委ねるため、委託先のリスクを負います。取引所が提供するウォレットも広義ではウェブウォレットに含まれます。

●ソフトウェアウォレット

ソフトウェアウォレットとはモバイルやデスクトップのアプリとして利用可能なウォレットです。ウェブウォレットと違い、サービスサイトからアプリを自身の端末にダウンロードし、その端末で秘密鍵を管理します。資産を自分で管理することができますが、基本的に端末はオンライン接続されているため、インターネット上のリスクはあります。

●ハードウェアウォレット

ハードウェアウォレットは暗号資産の秘密鍵を管理するデバイス型のウォレットです。基本的にデバイスはオフラインで管理し、ウォレットの操作をするときだけオンライン状態のパソコンにUSB形式のデバイスを接続します。取引の都度ウォレットを操作する手間や物理的な紛失リスクはありますが、ウェブウォレットやソフトウェアウォレットに比べて安全性は高くなっています。

●ペーパーウォレット

ぺーパーウォレットは紙やカード、金属板などで秘密鍵を管理するウォレットです。暗号資産の秘密鍵は不規則な文字列で表記されますが、実際の管理においてはこの文字列を見慣れた英単語の並びによって管理する仕組みがあります。この並びをバックアップフレーズやニーモニックなどと言います。取引の利便性は低いですがオフライン状態のまま秘密鍵を安全に管理することができます。

多くの方はまずは取引所を利用すると思うので、秘密鍵を自分で管理する必要はありません。しかし、取引所リスクを考えると中長期的に保有する分については個別のウォレットで管理するという選択肢も考えられます。

ウォレットはなんだか使うのが難しそうに見えますが、機能についてはお財布と変わらず、慣れてしまえば自分で資産を管理することができる便利な道具です。取引所の利用に慣れた方は資産保全策の一つとしてウォレットの利用を検討してみると良いでしょう。

<文:暗号資産アナリスト 松嶋真倫>

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