はじめに
市場は1ドル115円突破を視野に入れたか
20日のドル円は、東京市場でも一時114円台半ばと3年11ヵ月ぶりの円安・ドル高水準を付けました。11月2~3日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、4日には石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの産油国会合(OPECプラス)を控え、市場は既に115円突破を視野に入れているように窺われます。
実際、足元の円安トレンドの根底にある「政策変更の議論ができるほどの景気回復・物価上昇を見込めない日銀」という認識は変わりそうになく、円先安観は当面払拭されない可能性が高いと思われます。
外貨建て資産投資には引き続き追い風となる見通しですが、「悪い円安」への思惑が広がるようだと日本発の市場混乱という事態も想定され、今後の円安進行ピッチと輸出株(中でも自動車株)の動きを注視していくことが肝要と言えそうです。
<文:投資情報部 堀内敏一>