はじめに

日本には、世界に誇れる技術をもった製造業が多いですが、かつてと比べると世界経済における存在感は薄らいでいる印象です。一方、米国では近年、フェイスブック、アルファベット、アマゾンといった創業から比較的日が浅い企業がイノベーションの牽引役となり、自社と米国株式市場の時価総額を大きく拡大させてきました。

コロナ後の経済成長において欠かせないのが、DX(デジタルを活用した変革)や脱炭素などに対応した新ビジネスの創造です。米国に比べると国内では、新ビジネスの創造を担う若い企業の存在感が増しているとは言いがたく、資本市場としては、こうしたイノベーターを支援し、いかに大きく育てていくのかが課題といえるでしょう。


日米では出口戦略となるM&Aの差が大きい

米国では、大企業によるM&A(合併・買収)が盛んです。M&AはIPO(新規株式公開)以上に多い、ベンチャーキャピタル投資の出口戦略ですが、こうした「出口」がしっかりあるため、ベンチャーキャピタル投資の規模は日本と比べて高水準です。

2020年の米国におけるベンチャーキャピタル投資は、1,300億ドル(約14.3兆円)に達しました。なお同年、過去にベンチャーキャピタルの投資を受けた企業のうち、886社がM&A、103社はIPOを実施しています。

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