はじめに
日本でもインフレは起きている?
日本は長いことデフレや低インフレの状態を続けてきましたが、冒頭でも述べた通り、この数か月は生活の中でモノの値段の上昇を実感している人が多いと思います。総務省が発表している消費者物価指数のデータをグラフ化したものが下図ですが、消費者物価指数の総合は前年同月比+0.2%、生鮮食品を除く総合が同+0.1%とわずかにプラスになっているだけで、生鮮食品及びエネルギーを除く総合は依然としてマイナスのままです。
とはいえ、生活の中では物価上昇を実感しているため、経済指標と実感の乖離を印象として受けるかもしれません。菅政権下で引き下げられた携帯電話の通信料などが全体の指数を押し下げているなどの特殊要因もあり、実際に生活に関連する品目を取り出してみると、やはり他国と同様に今年に入ってからじわじわと値段が上昇していることが分かります。
日本では年始から円安が進んでいますが、円安傾向が続けば輸入する際の価格も上昇するため、日本においては為替要因も相まって他国と同様にインフレ懸念が燻り、少なくとも年内は物価上昇が続くのではないでしょうか。