はじめに

FIRE状態は人それぞれ

FIREは、働いてはいけない訳ではなく、「働かなくても良い自由を手に入れること」を差します。つまり、「働きたければ働けばいい」のですからFIRE状態であるかどうかを決めるのは本人次第で、経済的に自由であることと、労働にしばられなくてもある程度の生活ができることが達成できていればFIREと呼べると思います。

そして、本当に好きなことを仕事にしていれば働くこと自体が苦痛ではなくなります。楽しみながらやりがいのある仕事を選び、生活していくだけの収入を得られれば十分にサイドFIREしていると言えるのではないでしょうか。

また、「一定期間働き、リタイアして自由な生活をおくり、また働く」ということも今後の世の中では許容されてくるはずです。「一度FIREしてから、タイミングをみて再就職する」ことも選択肢になるでしょう。このような生き方をするためには、常に自分をアップデートして、フレキシブルに学び、自己成長させ続けていることが重要と思います。

レバレッジ型ETFなどの投資商品には注意を

FIREは運用資産を取り崩しながら生活していくことも前提の一つになります。現在の投資商品は「3倍レバレッジの米国インデックス」とありますが、こちらは長期投資には向いていないので注意が必要でしょう。2021年6月30日の金融庁のレポートでは「レバレッジ型・インバース型 ETF 等への投資にあたってご注意ください」と注意を促しています

 【レバレッジ型の商品の値動きの一例】

レバレッジが3倍の場合は1日の値動きでは3倍になるように設計されていますが、長期で3倍になるわけではありません。

一定のレンジ(範囲)で値動きをする「ボックス相場」など、下げの要因を加味すると、増えるはずの資産が大きく減ってしまう可能性もあります。例えば市場が短期に30%暴落する局面もありえます。その場合は約3倍の損が出るので、元本が極端に小さくなります。回復局面も原資が小さくなっているので、増え方が少なくなってしまうことがあります。場合によっては、通常のETF(上場投資信託)が利益を上げている横で損失が出ていることもあります。

また、ETFの特徴として信託報酬が安いことがあげられますが、レバレッジ型のETFは信託報酬が0.8%前後と、通常のインデックス型のETFと比べて、かなり手数料が割高なことも注意が必要です。

資産形成は短期目線にたつと、リスクが大幅に増えることになります。FIREを考えるのであれば、レバレッジのない長期的なインデックス投資を中心に考えられると良いと思います。

以上、参考になれば幸いです。

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