はじめに
「3年で乗り替えたほうがお得」は本当?
主に、「新車を購入して3年で別の新車に乗り替えた方がお得だ」という話には、以下のポイントを説明されることが多いです。
【3年以内に乗り替えを勧める場合の営業トークポイント】
●メーカーにもよりますが、新車は2年でマイナーチェンジ、4年でフルモデルチェンジされることが多くあります。フルモデルチェンジされる前の下取り価格の方が、後よりも高いことが多い。
●新車は3年で車検のため、車検前に売れば車検代が発生しない。また、3年をすぎると、以降は2年ごとに車検が発生してランニング費用がかさむ。
●多くの自動車保険が、契約して25か月は新車割引(約1〜10%)が適用されており、この期間に別の新車に乗り替えると新車割引が適用されてお得。
●メーカーの新車保証期間(一般保証)があり、ほとんどの部品は交換や修理が無料になることがある。大抵は走行距離が「●キロメートル」までなど規定されていたり、3年以内なら新車保証の対象期間であるため、一部の消耗品を除いて節約できる。
●乗り始めから3年以内の新車はコンディションが悪くないことが多いので、新車を乗り継げば修理やメンテナンス費用が比較的かからない。
●新車を乗り継ぐことで、常に最新の車を体験でき、安全性や燃費の向上などを体感することができる。
これらの「新車を乗り継ぎましょう。新車はお得です。」という営業トークの内容自体は、特に嘘ということもなく実際そのように思います。一方で、新車は買った直後が一番値下がりが激しいので、上記の全てのお得な要素を飲み込んで余りある価格ダウンがありえます。また、新車に乗り継ぐことは当然ながら支払いが永続的に続くことになりますので、トータルで考えてお得ということはありません。
新車の価値は3年後にどれくらいになる?
新車で買った車を3年で売却するとき、車種の希少性や人気、車のコンディション(傷、汚れ、走行距離、事故歴など)にもよりますが、一般車であれば購入価格から30〜80%程度、値段が下がることはよくあります。
例えば300万円で購入した車が3年で30%値下がれば、210万円での下取りになります。50%値下がれば150万円、60%値下がれば120万円が下取り価格ということになります。
300万円の車は、新車購入時に50万円の頭金を払っていて、250万円分の自動車ローンを5年間で年利2.9%で借りている場合、月々のローン支払いは4万4,811円となります。
3年間で200万円以上の支払いをすることになりますので、仮に60%値下がりをしている場合でも売却すればローンは全額返済できます。