はじめに

FIREの目安となる金額は?

さて、ご相談者の場合、年間での生活費が360万円であるため、360万円×25倍=9,000万円の運用資産があればFIREが可能といえます。自宅は運用資産と考えず、単純に貯金も含めて運用可能な資産と考えると、残り6,450万円ほどの資産構築が必要になります。

仮に毎月30万円(年360万円)を投資信託で運用し、年4%の運用利回りができたと考えます。一方、生活費の不足分90万円のうち、奥様のパートから年間60万円をカバーできるとして考えると、30万円を貯蓄から取り崩す試算となります(奥様のパート代はあえて運用には回しておりません)。

15年後、60歳前後でのFIREが現実的

簡単な試算をしてみましょう。年360万円を年4%で毎年運用しながら積立てていくと、15年後には7,208万円となります。また、現在運用されている確定拠出年金等も年4%で運用できるとすると、15年後には990万円になっている試算です。これらの合計およそ8,200万円から毎年の貯蓄取崩額30万円×15年を差し引くと7,750万円となり、6,450万円以上の資産構築ができています。

年3%ではどうでしょうか。同様の計算を行うと、15年後には7,105万円となり、このケースでも6,450万円以上の資産構築ができています。

そのため、一つの目安ですが、15年後をFIREの目安とされてみてはいかがでしょうか?もちろん、さらに早くFIREを達成したいということであれば、年5%や6%を目指す方法も考えることはできますが、その分リスクも高くなります。そのため、15年が無難と考えます。結局60歳になるため、これでは遅いとお考えの場合には、受け取ることができる退職金も考慮して55歳目標(10年後)なども可能ではあります。ただし、お子さまがちょうどその頃に大学進学も迎えることになるでしょうから、そうした教育資金が必要になることも考慮すると、やはり60歳前後のリタイアが無難かと思います。

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