はじめに

(4)エンディングノートに書いてほしい内容10項目

ここで、エンディングノートに書いておきたい内容10項目をご紹介します。

1.介護が必要になったときのこと
2.生死にかかわる事故や病気になったときのこと
3.自分の葬儀に関すること
4.家の歴史のこと
5.お墓のこと
6.自分のこと
7.デジタルツールのこと
8.ペットのこと
9.障害をもつ子供がいる場合
10.これからの人生でやりたいこと

1.介護が必要になったときのこと
認知症や寝たきりになったときの介護について、介護をしてもらいたい人、介護をしてもらいたい場所(自宅、病院、施設など)、費用等について記しましょう。また財産管理の面で、誰かに面倒を見てもらうための契約(財産委任契約、後見契約など)をしているのであれば、それも書き残しておきます。

2.生死にかかわる事故や病気になったときのこと
病名や余命の告知をしてほしいのか、してほしくないのか。治る見込みのない病気にかかったときの延命治療についてどうしたいのか。臓器提供に関して、どのように考えているのか。最期を迎える場所(自宅、病院、施設など)の希望はあるのかなど、突然やってくる万が一の場合に備えて自分の希望を書いておきましょう。

3.自分の葬儀に関すること
葬儀社とすでに契約をしているのか、していないのか。葬儀の規模や内容をどうするのか。喪主は誰に頼みたいのか。友人、知人のなかで連絡をしてほしい人、してほしくない人。さらに、連絡をしてほしい時期(危篤時、死亡時、通夜・葬儀、喪中はがきのみなど)について。ご家族は、ご本人が懇意にしている方々を知らない場合が多く、お別れをしたかったのに連絡が行き届かなかったということもあるようです。また、遺影に使う写真の準備もされてみてはいかがでしょうか。年に1回写真館で遺影に使う写真を撮ることを楽しみにされている方もいらっしゃいます。

4.家の歴史のこと
歴史という意味では、信仰している宗派や家紋などを知ることは、家の行事を行う際に大事なことです。また、祖父・祖母について、顔はわかっていてもどんな人だったのかなどは同居していなければわからないことも多くあります。祖父・祖母よりも前のご先祖様のことや家の歴史は語り継がれなければ途絶えてしまいます。ご先祖様はどんな人だったのかといったお話を、家族、親戚が集まる時期にしてみてはいかがでしょうか。

5.お墓のこと
「先祖代々のお墓が住んでいる場所から遠く、お参りにも行けていない」「お墓をどうしようか」という声を聞くことが多くなりました。「墓じまい」等々考える前に、今そのお墓の場所や、管理はどうなっているのかを残しておきましょう。また、お寺や霊園とのお付き合いはどうしているのか。家族は法事等の際のお布施や懇志などにも頭を悩ませることになるので、今までこうしてきたというものを残しておくようにしましょう。

6.自分のこと
名前、住所、生年月日、勤務先や学歴など、現在から過去にさかのぼって記入します。ご自身のことなので、比較的スムーズに書き進めることができる項目です。出生場所や名前の由来など聞いたことがなければ、ぜひ親御さんに生まれた日のこと、名前の由来を聞きながら一緒に書いていきましょう。

7.デジタルツールのこと
ネット証券やネット銀行の取引があることは、本人でないとわかりません。エンディングノートにどこまで詳しく書くかは別として、取引があることを知ってもらうことは必要です。また、定期的に会費を払っている契約も書いておくことをお勧めします。ID・パスワードは別途保管でもかまいませんが保管先はわかるようにしておきましょう。スマートフォンのパスワードも忘れずに。ロック解除には高額なお金がかかるにもかかわらず、解除できるかはわかりません。

8.ペットのこと
一人暮らしで犬や猫などのペットと一緒に暮らしている方も多くいらっしゃいます。病院に入院することになった等、飼い主にもし何かがあってもペットには状況がわかりません。家の外に出ることができなければ息絶えることになってしまいます。自分で面倒を見られなくなった時のために、どんな動物を飼っていて、どんな特徴を持っているのか。ペットの健康状態やかかりつけの動物病院、避妊・去勢の有無、ワクチンの種類、接種時期等がわかれば、お世話をしてくれる人への負担も軽くなるでしょう。

9.障がいのある子供がいる場合
障がいのある子供を持つ親御さんの場合、一番心配なことは、親が子供のそばにいられなくなった時にこの子はどうなるのかという、「親なきあと」のことです。入院したり、認知症になったりと、亡くならなくてもそばにいることができない状況は出てきます。そのときに子供を支援してくれる方に子供のことを知ってもらい、子供が安心して人生を全うできるように書き記すことはとても大事です。かかりつけ医や利用施設、生活スタイル、日常生活でできること、できないこと、移動や外出の際に配慮すること等、親からすれば些細なことでも支援者の方には戸惑うことがたくさん出てきます。一度に書ききれないと思いますので加筆、修正を重ねながら更新してください。

10.これからの人生でやりたいこと
今までを振り返りエンディングノートを書いてみたことで、昔やってみたかったけどできなかったことや、行ってみたい場所、会いたい人が思い浮かんだ方もいらっしゃるのではないでしょうか。まだ遅くはありません。いまから行動してみましょう。

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