はじめに

一番打撃を受けるのは?それは香港

今回、間違いなく同じ現象が起きるのが香港ディズニーランドでしょう。年間680万人の入場者の多くが大陸から香港にやってくる観光客。この需要の多くが、上海ディズニーランドと競合することになるでしょう。

入場料金も香港ディズニーランドが7,200円に対して上海ディズニーランドは日本円にして約5,800円とかなりの価格差があります。その観点で考えれば、上海近郊からくる香港旅行客にとっては香港ディズニーランドの魅力は今後はほとんどなくなってしまうと考えられます。

余談ですが、香港ディズニーランドも開業当初は、中国本土から来る観光客のマナーの悪さに悩まされたものでした。行列の横入りや、トイレ以外のところで用を足す来園客がディズニーランドのイメージを悪くしていたのです。しかし、香港ディズニーランドの長年の努力で、最近はこういった顧客の行動は香港全体でもあまり見かけなくなりました。

当面は上海ディズニーランドがこのような顧客行動に悩むとは思いますが、その違いだけで香港ディズニーランドが生き延びれるとは思いません。

そして日本でもある影響が起きる心配が

さて、同じ意味で微妙なのが実は東京。東京ディズニーランドだけの話をしているのではありません。中国本土からの爆買い客でにぎわう銀座も新宿も、東京ディズニーランドとのパッケージツアーで繁栄しているわけですが、東京ディズニーランドの魅力が下がれば東京全体が影響を受けます。

つまり、中国爆買いツアー客にとって、今後は東京よりもユニバーサルスタジオや京都といった競争力のある訪問先を備えた「大阪ツアー」の方が商品としての魅力が高まってしまうかもしれないのです。

東京が中国人にとっての「ロサンゼルス」になってしまうのか?そして大阪が「ラスベガス」のように棚からぼた餅で繁栄していくのか?上海ディズニーランドの開業で、実は遠く離れた日本にも微妙な未来が待っているのかもしれません。

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