はじめに

「文章を書くことがストレスです」
「文章を書くことが苦手で……」
「文章を書くのに時間がかかります」

そんな「文章アレルギー」の人は多いのではないでしょうか? しかし、文章を書けるかどうかは、仕事の成果や周囲の評価に大きく関わります。

そんな文章に関する「困った」にやさしく応えてくれるのが、『そもそも文章ってどう書けばいいんですか?』を著書にもつ、山口拓朗さんに書き方のコツを教わります。今回は、文章を「書く」までに必要な3つのプロセスについてです。


文章を書き始める前には3つのプロセスがある

北京オリンピックでも盛り上がったカーリング。いきなりですが、あなたはカーリングのことをよく知らない人に向けて、カーリングの魅力を文章でわかりやすく伝えることはできますか? 

これまでカーリングの試合を見たことのない人や、カーリングについて調べたことのない人にとっては、なかなか難しいお題ではないでしょうか。

それでも「どうしても説明しなさい」と言われたら、どうすればいいか? 答えは「カーリングについての情報を集める」です。「ない袖」を振ることができないのと同じように、「ない情報」で文章を書くことはできません。

とはいえ、少し調べたくらいでは、わかりやすく説明することはできないかもしれません。カーリングを知らない人にその魅力をわかりやすく説明するには、ざっと以下の4つのプロセスを踏む必要があります。

【プロセス1】カーリングについて調べる

まずはカーリングについての知識をインプットします。「カーリングを扱った書籍や雑誌を読む」「インターネットで検索をする」「カーリングに詳しい人から話を聞く」「ルールブックを読む」――などの方法があります。

【プロセス2】実際にカーリングの試合を観る

実際にカーリングの試合を観ることによって、五感を使ってカーリングを理解することができます。また、白熱する試合を目の当たりにすることで、言葉による情報収集だけではわかりにくかった、カーリングの魅力を感じることができるでしょう。

【プロセス3】カーリングについて知らない人の気持ちに寄り添う

カーリングの知識を増やし、また、カーリングの魅力を実感したからといって、わかりやすい文章を書けるとは限りません。ここで大切なのが、カーリングを知らない人の立場に立ち、気持ちに寄り添うということ。カーリングに明るくない人に対し、「どういう言葉」で、「どういう順番」で、「どれくらい噛み砕いて」伝えればいいのか。徹底的に考えなければいけません。

【プロセス4】その人たちが理解できるよう、わかりやすい文章を作る

情報が集まり、読む人の気持ちに寄り添う意識をもったら、いよいよ文章作成です。わかりやすさのポイントは、「日本語文法を正しく使う」「助詞(てにをは)を適切に使う」「句読点を適切に打つ」「平易な(やさしい)言葉で書く」「できる限り専門用語を使わない」「理解しやすい構成を心がける(セオリーは『幹→枝→葉』の順」など。誤解や誤読を招かないよう書き方を工夫する必要があります。

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