はじめに

利上げや量的緩和の終了は予想していたが…

世界の中央銀行の緩和政策により、新型コロナの影響で下振れしていた企業業績や失業率などはだいぶ回復してきました。また、金利の引き下げと世界の中央銀行の緩和政策で、市場に溢れたマネーが様々な商品や暗号資産などに資金がまわり、実体とはかけ離れた価格をつける場面が見られるようになりました。

そうした背景から、米国FRBは2020年3月から続けていた、米国債とMBSの購入を段階的に引き下げ、今年3月に終了させました。また3月のFOMCで0.25%の利上げを行いました。米国は、原油価格などの高騰や半導体不足などの影響で、物価が数十年ぶりの上昇となり、その対応策をとった形です。

世界の株式市場としては、利上げや量的緩和の終了は予想していました。しかし、冒頭に記載した早期の量的引き締め(QT)は急展開で織り込んでいなかった(予想外だった)為、株価の下落につながったように感じます。

2020年の新型コロナ感染拡大時の超緩和政策から一気に逆方向へのシナリオで、引き締め政策へと転換点を迎えようとしています。昨年までの米国株は超緩和政策で右肩上がりの相場が続きましたが、政策変更によってこれまでのように上昇し続ける事はないように感じています。

米国の動きに注目する理由

ここまで米国市場の動きを中心にお伝えしてきましたが、最後になぜ、米国の動きに注目するのかをお伝えします。世界の株式市場の主となるのは、やはり米国です。日本株はその影響を受けずにはいられません。

例えば時価総額で比べるとNYは約28兆9907億ドル、ナスダックが24兆0358億ドル、それに対し東京市場は6兆1476億ドルです(2022年3月31日時点)。どの様なニュースであっても、米国の流れを汲んでしまうのは、規模の大きさから見て一目瞭然です。

全体的な流れは米国に左右される部分が大きいので、注目せざるを得ない状況です。

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