はじめに
世界的に物価が上昇しています。経済の教科書によれば、物価が上昇すると金利が上昇します。その時、私たちの資産運用の環境はどう変わるのでしょうか。今の物価上昇が「良いインフレ」か、それとも「悪いインフレ」なのかを整理してみましょう。
良いインフレと悪いインフレ
インフレには「コストプッシュ・インフレ」と「ディマンドプル・インフレ」という、2つの種類があると言われています。
コストプッシュ・インフレはエネルギーを含む原材料価格や賃金の上昇によって引き起こされるインフレで、ディマンドプル・インフレは需要が大きく伸びることで引き起こされるインフレのことです。これは経済の教科書に書かれていることです。
一方、「良いインフレ」と「悪いインフレ」に分けるケースもあります。これは「見出し」で読者の気を惹きたいと考える場合に、よく用いる言葉といっても良いかも知れません。
さて、今話題になっているインフレは、どういう性質を持ったものなのでしょうか。
まずコストプッシュ・インフレとディマンドプル・インフレのどちらかと問われれば、コストプッシュ・インフレなのでしょう。
先月発表された2022年2月分の消費者物価指数は、総合の前年同月比が0.9%の上昇となりました。「たったのそれだけ?」という声もありそうですが、過去の推移を見ると確実に消費者物価指数は上昇傾向をたどってきています。