はじめに
改修できない部分も 水回りはしっかり確認を
では、実際に中古マンション購入後にリフォーム・リノベーションを行った人は、どこに手を加えているのでしょうか。
最も多かった回答は「トイレ(12.8%)」で、次に「浴室(12.1%)」となりました。そして 「内装(11.5%)」「キッチン(11.3%)」「全面改装(10.6%)」と続きます。中には、「水回り全体(8.9%)」を改修したという人も。そもそも、キッチンやトイレ、浴室などの水回りは、使用頻度が高いため汚れが付着しやすく、劣化しやすい部分。実際に修繕している人は半数以上にも上りました。
購入時に水回りの汚れや劣化が目立っていたとしても、「間取りや内装、配管などすべてを変えられる『スケルトンリノベ』であれば、あまり気にする必要はありません」と教えてくれたのは、一級建築士の西村一宏さん。
ただし、「排水管の口径が細く流れにくい、赤水が出るなど、共用部に問題がある場合もあるので予めしっかりヒアリングをしておく必要があります」。
「リノベーションしても不満」その理由は?
今回の調査では、82.1%の人がリフォーム・リノベーションによって購入時の不満が「解消できた」としているのに対して、残りの17.9%の人は改修をしても「不満が残った」と回答しています。
その理由について聞くと、「壁が薄く、隣の部屋の音が聞こえてくる」「配管の問題で追い炊き機能がつけられず残念」「冬場は隙間風などがひどく、寒さをしのぐには困難な環境だった」「住んでいくうちに施工面で雑なところが見えてきた」といった声が寄せられました。
壁が薄い、隙間風がひどいなどはマンションの構造上の問題で、「構造体の大きさや厚み、大元の給排水管などは改修できません」と西村さん。とはいえ、リノベーションをするなら、そういったことを前提にプランニングをしていくので、それほど大きな問題にはならないといいます。
ただし、追い焚き機能については注意が必要です。「もともと追い焚きができない浴室に、その機能を後付できるかどうかはマンションの構造によって異なるので事前に調査を」。