はじめに
最近、「なんか、値上がりしてない?」とか「普通に暮らしているはずが、給料日前の残高が苦しい」と感じることはないでしょうか。あるいはテレビやネットのニュースなどで「○×商品、10%値上がり」のような情報をキャッチして、すでに気を引き締めている人もいるかもしれません。
2022年に入り、食品を中心とした値上げが相次いでいます。いずれも5〜10%といった大きな値上げ幅になっているのが特長です。しかし、私たちは「100円のパンが110円になったから、家計が赤字に転落する」とはなかなか思いません。
ひとつひとつの値上げは小さいものだったとしても、家計全体でみれば大きなインパクトがあります。月20万円の出費でやりくりしている家計が5%の値上げをそのまま上乗せすれば、21万円必要ということになります。
1日あたり数百円くらいの影響も、積み重ねていくと「あれれ、1万円くらい赤字になっているな……」となるわけです。問題は、こうした値上げをどうやって把握し、どう乗り越えるかです。
家計簿を使ってまずは現状把握してみよう
仕事において、ビジネスプロセスの「見える化」が大事だとよく言われます。パワーポイントのスライド資料などで、図解を試みて苦労したことがあるかもしれません。
皆さんの家計も「見える化」が必要です。特に値上げの時代においては、今どれくらいの支出でやりくりしているのか、これは以前と比べてどうなのか、といった状況を可視化して考えることが重要です。
そこで役立つのが家計簿アプリです。家計簿アプリのいいところは、「見える化」がとても簡単だということです。
かつて紙の家計簿が主流だった時代には電卓が必須でした。計算をするだけで、かなりの時間を浪費しました。エクセルでお手製のシートを作ったところで、手打ちで計算式を作らなければなりません。たまに参照がズレてこれまた時間のロスがあったものです。
その点、家計簿アプリは立ち上げれば、自動的に計算がされてグラフまで表示されます。今月と先月の家計を比較しようと思ったら、指先一つで左右にスワイプするだけです。
「見える化」によって、「同じような生活水準で暮らした先月と今月、食費に変化はあったかな」「光熱費、本当に上がっているのかな?」というようなことが、すぐ分かるわけです。