はじめに

貯金をメインに、一部を投資に

毎月の収支は黒字ですから「投資を始めても問題ないだろう」と思えるかもしれませんが、投資をするにはある程度の「貯金」を持つことも必要です。貯金は「目の前のピンチを切り抜けるためのお金」。つまり、生活を守るためのお金となりますから、少なくとも7.5カ月分から1年分くらいは持っていたほうが安心です。相談者様の月の生活費は約20万円ですから、150~240万円ほどの貯金が欲しいところですね。

年齢的には時間を武器にした投資ができますから、貯金が不十分でも投資を先に始めることには賛成です。毎月の余剰金は主に貯金に回していきますが、一部を投資にも回し、継続していきましょう。毎月3万円の余剰金が出ているのであれば、2万円は貯金、1万円は投資に振り分けましょう。

150万円以上の貯金ができたら、それ以上貯金にお金を回さなくても構いません。余剰金のすべてを投資に回してもよいですし、貯金額を減らし投資額を増やしてもよいでしょう。投資額を引き上げるように、貯金と投資のバランスを変えていきましょう。

インデックスファンドの積立投資でOK

投資で「早くお金を増やしたい」というお言葉がありましたが、冒頭でも言いましたように、早くお金が増えるということはリスクが高い場合が多いもの。つまり、損もする可能性も高くなります。将来への資産形成を目的とする投資で、結果を焦ってはいけません。

初心者には、早くお金が増える可能性があるけれど高リスクの投資より、インデックスファンドの積立投資から始めることをお勧めします。インデックスファンドは手数料が安く、リターンはさほど大きくないけれど、失敗するリスクも少ない投資信託です。インデックスとは市場の動向を示す指数のことで、インデックスファンドはそのインデックスと連動することを目指して運用されます。

始めたばかりだと思い描いていた利益ほどは出ないので、面白みに欠けると思うかもしれません。また、毎日の価額は上下しますから、下がれば残念に思ったり不安に思ったりすることもあるでしょう。

それでも、長期スタンスで投資を継続していれば、「複利」などの恩恵も受け、投資が次第に資産形成に寄与していくことに気づくでしょう。複利の効果は時間が経てば経つほど大きく現れます。それを実感できてくると、地味だと思える積立投資も、楽しくなってくるかもしれません。

投資信託で資産がある程度できたうえで、それでもリスクが高いと思われる投資をしたいと思うのなら、資産の一部だけに限定して、いろいろな投資を試してみてもよいでしょう。

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