はじめに

法人について、理解していない営業は多い

法人向けの営業をされている方に質問です。「法人」とは何でしょうか?何のために存在しているのでしょうか?そして「生活者としての個人」と「法人」は何が違うのでしょうか?

「答えられそうで答えられない」という人が多いのではないでしょうか。でも、営業する上で「法人」を正しく理解しておくことは非常に重要です。一つひとつ紐解いていきましょう。

皆さんは法人が何のために存在しているかご存じでしょうか?

私は、研修やコンサルの機会をいただいた際には、営業の皆さんにこのような質問をすることがあります。しかし、質問してみると回答がだいたいバラつきます。

「社会に貢献するために」「国に税金を納めるために」といったような社会的使命が存在意義であると回答する人もいれば、「働く従業員の雇用を守るために」といったような回答をする人もいます。同じ営業という職種であるのにも拘らず回答がバラつくのは、つまり、多くの営業の皆さんが「法人」をしっかり認識できていないということなのです。

「法人が存在する理由」は、「利益を出すこと」にあります。

国のために、社会のためにといったビジョンを持つことは素晴らしいことですし、実際にビジョナリーな企業は日本にもたくさんあります。私の会社も「製造業から日本を盛り上げたい」といった大きなビジョンを持っています。しかし、法人である限り事業がうまくいかなければその先のビジョンの実現もあり得ません。だからこそ「利益を出すこと」が、どの企業にも言える共通の存在理由なのです。

法人の「買う」は「投資」である

営業として「法人」をより理解するために、「法人が製品やサービスを購入(契約)する理由」についても考えていきましょう。

先ほど、「法人の一番の存在理由は利益を出すことである」とお伝えしました。では法人が製品やサービスを購入(契約)する理由は何でしょうか?

それは「その製品やサービスを購入(契約)することが会社の利益につながるため」です。

なぜなら、法人の存在理由が「利益を出すこと」だからだということは前項で述べました。皆さんが勤める会社でも、様々な製品やサービスを利用していると思いますが、これらのすべては基本的に「利益を出すため」に購入(契約)しています。

つまり、言い換えるなら「投資」です。「利益を出すための投資」として、製品やサービスを購入(契約)しているのです。

ここで併せて、「投資」と「消費」の違いも確認しておきましょう。

あなたは「ウィンドウショッピングしていたら、セール中だったので、買うつもりのなかった服をつい買ってしまった」といった経験をしたことはありませんか?ちょっとテンションが上がってしまって気分で購入してしまうことがありますよね。私もつい大容量のお徳用食品を買ってしまって余らせてしまったことがあります。こうした「つい買ってしまった」という行動は、「生活者視点の個人」ならではです。これを「消費」と言います。

「消費」は満足感を得られたり楽しいひとときを過ごせたりすることがありますが、利益を生み出すことはありません。

そのため、法人は「消費」をすることはないのです。あくまで利益を出すための「投資」として、製品・サービスを購入(契約)します。何回もお伝えしたいほど重要なポイントです。

法人は利益を生み出すために「投資」をしているのです。

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