はじめに

フリマアプリ運営大手のメルカリが、農産物のネット販売を行うポケットマルシェに出資するそうです。メルカリは年内に株式上場を予定していると言います。既に上場前に時価総額1,000億円を超えるユニコーン企業として有名だったメルカリですから、その資金力に関してはさまざまな方面に投資するだけの余力は十分にありそうです。

さて、そのメルカリが出資したポケットマルシェですが、お互いの事業にとっての親和性は高そうです。この二社が手を組んだ場合、どのような展開が期待できるのかを考えてみましょう。

(画像:ポケットマルシェ Webサイト)


スマホの手軽さで急成長したメルカリ

メルカリはスマホアプリによるフリーマーケット運営の大手企業です。メルカリが発展した最大の理由はその手軽さにありました。スマホで手元にあるものをパシャリと撮影してアップすれば、簡単に取引相手を見つけることができるのです。

それまでオークション最大手だったヤフオクよりも出品の手間が小さく、しかもスマホに特化して使いやすさを追求したことで、メルカリはあっと言う間にフリマアプリの大手として成長したのです。

フリマアプリですから、一番よくある利用法は部屋の中にある「いらないもの」「いらなくなったもの」に値段をつけて売り出すこと。その際にメルカリの面白い点は、適切な価格さえつけておけば比較的短時間に買いたいという人が名乗り出てくるところです。

メルカリによれば早ければ出品から5分、多くの場合は1時間未満で売り手が見つかるという、さくさくと取引が行われるところがスマホ世代にフィットしました。それが、メルカリが成長した最大の理由ということです。

CtoCのメルカリがBtoCのポケットマルシェに出資

さて、メルカリはいまのところCtoC、つまり個人と個人の間の取引が主流の様子ですが、オークションサイトではCtoC以外にBtoCつまりプロの売り手と一般の消費者を媒介した取引も多く行われています。

ただ、小売店が楽天などのショッピングモールで販売しているのと同じ商品をそのままメルカリで販売するというのは買う側の事情を考えるとあまり流行しないかもしれません。

メルカリの面白さは、スマホの画面にプッシュ通信の形で欲しいものがぱっと表示されて、それを誰よりも早くゲットする。そのようなフリマならではの楽しみがある買いかたの方がフィットしていると思われます。

そのように考えると、フリマに合っているのは「他には無い商品」「なかなか見つからない商品」と言った方がいいかもしれません。

そこで今回、ポケットマルシェにメルカリが出資したというニュースが脚光を浴びるのです。ポケットマルシェとメルカリがどうフィットするのか、考えてみましょう。

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