はじめに

流通の無駄がなくなり革命が起きる?

ポケットマルシェは生鮮品の通販サイトです。農家や漁師が生産者として参加して、鮮度の高い食材を販売しています。

そしてご存知のとおり、農産物や水産物の流通は何段階もの仲介者を経由する仕組みになっていて、消費者の手に届く頃には価格が高くなってしまったり、時間がかかってしまったり、なにより規格にのった商品しか流通されないなど、たくさんの無駄があり問題になっています。

ポケットマルシェは全国の農家や漁師などプロの生産者を集めて、彼らがスマートフォンを通じて飲食店や消費者に食材を直接販売するアプリを運営しています。まだ参加する生産者は300人を超えた程度とそれほど多くはないのですが、出品から配送、管理までスマホで完結する仕組みを提供することで、順調に利用者を増やしています。

このポケットマルシェの利用者が、仮にメルカリのインフラ上でもビジネスを始めるようになったとしたら、きっと面白いことが起きるでしょう。

なにしろメルカリの利用者数はプラットフォームとしては日本最大級です。ですから、生鮮品の販売にある種の革命が起きるかもしれません。

「本当においしいもの」が消費者に届くチャンス

たとえば畑の一部で育てているめずらしい品種の野菜や果物が収穫できたとします。これまではそういった農作物は農家が自家消費したり、知り合いの飲食店に卸したりといった形で限られた場所にしか流通していませんでした。

古い言い方ですが「一番おいしいものは農家が自分で食べている」という言葉は案外真実に近かったりするのです。

それをメルカリで「めずらしい○○が採れたよ。一箱1,000円でおすそわけするよ」と言って販売を始めたら、それを見つけた人にとってはなかなかに嬉しいことかもしれません。

漁師も変わった魚が獲れた場合、これまでは流通に乗らずに捨ててしまうことになりました。でもこれからは「△△が釣れたよ。料理の仕方を教えるから買わないかい?」と言ってフリマに出すことができるようになります。

こういった変わった収穫物は、販売ロットとして数が集まらないから売り物にならないというだけで、本来は捨ててしまうのにはもったいない商品です。そこにメルカリという「ちょっとしたものでもすぐに売れていくフリマ」というプラットフォームは、かなりフィットする可能性があると思われるのです。

実際はこういった予想されるメリットが、売り手、買い手各々にどれだけ刺さるかで今後の動きは変わってくるでしょう。しかし地方創成にもつながる「生産者と消費者がダイレクトにつながって、それでお互い得をする」という絵が実際に描けそうな、この二社の協業。うまくいった場合には、本当に面白い何かが起こりそうで期待できると思います。

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