はじめに

豚肉の部位の中で、脂が少なく柔らかなヒレ肉は個人的にもとても好きな部位です。ですが、脂が少ない分、加熱したらパサパサになったというご経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

その対処法として、有害細菌を死滅させる適正温度を守った上で、高温にしすぎないこと。また、調理中に肉の水分を閉じ込め、油分を補うことで、ヒレ肉のパサつきを解消することが出来ます。

塊の状態でも安価で手に入るヒレ肉。せっかくなので塊のまま、旨味を閉じ込めしっとりと焼き上げてみてください。薄くスライスすれば柔らかなハムのよう。厚めにスライスしても、しっとり柔らかで食べ飽きることがありません。

我が家の定番、オーブンで作るヒレ肉のローストを紹介します。


「豚ヒレ肉のしっとりロースト」材料

材料 分量
豚ヒレ肉(塊) 1パック(約200g)
オリーブオイル 大さじ2
適量

※今回は、気軽にいつでも作れるよう、また、安全性を配慮し食べきれる量を考え、日本のスーパーでよく売られている豚ヒレ肉の重さ(約200g)を使います。

「豚ヒレ肉のしっとりロースト」作り方

1. 豚ヒレ肉を1時間ほど室内に置き、室温にする。(真夏なら30分程度)

2. オーブンを120度に熱しておく。
豚ヒレ肉にオリーブオイルを掛けて全体に馴染ませる。

3. 薄手のキッチンペーパー1枚で2.をぴったりと包む。その時、オイルをペーパーに吸わせる。

↑キッチンペーパーに乾いている部分があれば、オリーブオイル(分量外)を浸み込ませます。こうすることで肉の油分と水分の流出を防ぎながら調理できます。

4. 天板に網を乗せ、その上に3.を置く。オーブンで20~25分焼く。


↑肉の厚み、オーブンの種類によって変わりますが、豚ヒレ肉200gを120度のオーブンで15分強焼くと、中心温度が約60度に。そこからさらに5分焼いて中心温度を上げます。

5. 豚ヒレ肉からキッチンペーパーを外し、塩を気持ち強めに全体に振り掛ける。
フライパンに少量のオリーブオイル(分量外)を敷き、強火でしっかり温めたら、豚ヒレ肉の表面を約1分間色良く焼き、熱いうちにアルミホイルでピッタリと2重に包む。そのまま15分置いて中心温度を保つ。

カットしてみると、とてもジューシーで柔らかです。ぜひお試しください。

「豚ヒレ肉のしっとりロースト」を美味しく作るポイント

・網は、お餅を焼く為にコンロに乗せる網など100円均一で手に入るもので◎。
・オーブンから出した後、すぐにフライパンで焼くことで内部温度を上げ、それを保てます。
・出来上がったローストは食べきれる量でご紹介しております。もし保存する場合は、ジッパー付き保存袋に入れて氷水で冷却後、冷蔵庫に入れて下さい。
・全ての塊肉のローストにおいて、確実に安全に作る為には、肉の中心温度を食品用温度計を使って都度確認することをお勧めします。

(アメリカ農務省は、全ての塊肉において安全に加熱する基準を「一番厚い部分の中心温度が約63度になるまで加熱後、3分置いておく」と定めています。)
参考資料
この資料は変動の可能性があることをご了承下さい。

・さらに沢山の量を調理されたい場合は、焼き時間を調整して下さい。工程4で温度計を使って肉の中心温度を計り、60~63度になったことを確認してからさらに5分焼き、工程5へ進みます。

【調理時間】40分(肉を休ませる時間を除く)


レシピ/ 大西 麻子
自然豊かな福井育ち。料理旅館で育った祖母の影響で幼児の頃から料理を始め、中学生になってからは家族の夕食を毎日作る大の料理好き。料理と暮らしを紹介したブログはランキング上位になり、わずか2年で出版に至る。4歳の息子と夫の3人暮らし。家族との暮らしを第一に、書籍や企業へのレシピ開発、写真提供をしている。現在、大好きな花や旅をテーマにした料理教室、ワークショップを計画中。

(この記事はケノコトからの転載です)

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