はじめに

政府は、6月10日(金)から添乗員付きのツアー観光客や長期滞在の外国人をおよそ2年ぶりに受け入れる事を再開すると発表しました。

観光目的を除く外国人の新規入国は、1日あたりの入国者数の上限を3月1日(火)に5,000人、14日(月)に7,000人、4月10日(日)には1万人と、段階的に引き上げてきましたが、観光客の受け入れもようやく再開される見通しです。


インバウンド推進、円安は追い風

新型コロナ発生前は、訪日客は2013年から7年連続で史上最高を更新し、2019年は3,188万人に増加しました。また、政府は東京五輪・パラリンピックが開催されるはずだった2020年に4,000万人の目標を掲げていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、前年比87.1%減の411万5,900人まで減少しました。

2019年は外国人旅行消費総額が、4兆8,113億円と過去最高を記録しています。インバウンド需要は確実に日本経済に大きな影響を与えるはずです。

先日、菅前首相は現在の円安を上手く活用し、インバウンド事業を推進するように政府に申し出たとも報じられています。菅前首相は元々インバウンドを推進していました。

今年に入り、米国の中央銀行(FRB)はインフレ懸念から利上げを行っています。対して日銀は金融緩和政策を維持している事から、為替市場で「円安」が進行しています。今年1月は1ドル=115円でしたが、現在は130円です。約5ヵ月間で15円の円安が進みました。

ここで円安のメリット・デメリットをお伝えします。

メリットは、輸出企業にとっては、海外で稼いだ外貨をより多く円に転換できるので、円安は望ましいものになります。企業の売り上げも円安の分だけ増えることになり、業績にも好影響を与えます。

また訪日外国人観光客は仮に手持ちの100ドルが前途したように、15円の円安となっていた場合、11,500円が13,000円となり1,500円分増えた事になります。その分、日本での滞在中に土産物店や飲食店などの消費に回る可能性があります。

デメリットは交換できる外貨が少なくなってしまうので、海外のモノやサービスが高くなってしまう点にあります。エネルギー資源や食材などの価格も上がってしまうため、私たちの生活を圧迫する可能性もあります。

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