はじめに
日常生活や生き方を通して、お金の価値観・人生観を考えるきっかけになるような話題の本をMONEY PLUS編集部がピックアップ。書籍の担当編集者に読みどころやこだわり、制作秘話などを語っていただきます。
今回は、アン=マリー・スローター著の『仕事と家庭は両立できない? 「女性が輝く社会」のウソとホント』をご紹介します。
『仕事と家庭は両立できない? 「女性が輝く社会」のウソとホント』アン=マリー・スローター著
働く女性が増え、共働き世帯が主流となった今も、育児・介護など家庭の仕事を担い、その両立に悩んでいるのは圧倒的に女性。こうした状況をどうやって変えていけばいいのか。仕事と家庭のあいだで悩むすべての人に贈る、『21世紀のまったく新しい働き方+生き方』を提言した一冊。
四六判/352ページ/エヌティティ出版/2017年7月31日
担当編集者のコメント
働く女性が増え、共働き世帯が主流となった今も、育児・介護など家庭での役割を担い、仕事との両立に悩んでいるのは圧倒的に女性です。その一方で、もっと家庭の役割に貢献したくてもできずにいる男性も増えています。
この状況を変えていくには、育児や介護と仕事の両立を、女性だけの問題とせず、職場や社会構造の問題としてとらえる必要があると著者は訴えます。
著者のスローター氏はオバマ政権のクリントン国務長官のもと、政府高官として活躍した国際政治学者です。
しかし思春期を迎えた息子が問題行動を繰り返すようになったことで、息子たちとの時間を優先するために夢にまで見たその職を辞する決意をします。
そのときの経験を綴った記事「なぜ女性はすべてを手に入れられないのか」は、全米中でさまざまな議論を巻き起こし、シェリル・サンドバーグの『リーン・イン』とともに注目を集めました。
本書はその記事をもとに三年余りをかけて書き下ろされた書で、アメリカでは「フィナンシャル・タイムズ」とマッキンゼーのベストビジネス書の最終候補に選ばれています。
「働き方改革」が叫ばれ、慢性的な人材不足が今後懸念される日本でも、子育てや介護に関わる方々が持続可能な働き方を実現するための、多くの知恵と示唆にあふれた一冊です。
(NTT出版 担当編集:書籍編集部 宮崎志乃)