はじめに

株式投資をされる方には聞き慣れた「株式分割」という言葉ですが、一般的には内容などを含め、あまり知られていない事柄かもしれません。今回は株式分割についてのお話しです。


トヨタにみる株式分割の効果

トヨタ自動車(7203)は、昨年2021年9月に、株式分割を行うと発表しました。1991年以来30年ぶりとなる株式分割で、分割比率は1:5としました。これは1つの株を5つに分けることを意味します。

一般的に株式分割をする理由としては、市場での株の流動性を高めるためです。流動性が高まると株の動きが活発になります。分割前のトヨタの株価は、1万円を超えていました。株式の売買単位は100株ですから、トヨタの株式を購入するには最低でも100万円以上の資金が必要でした。

ご存知のとおりトヨタは国内時価総額トップ企業ですが、分割前の株主数は15位でした。やはり購入金額が100万円を超えることで、個人投資家などは銘柄自体に興味があっても、手軽に購入するには株価が高すぎて、手がけにくいという側面があったと思われます。

そんなトヨタ株ですが、分割後は最低売買単位は約20万円に下がり(分割比率1:5なので)個人投資家などが買いやすい株価になったことで、市場での流動性はかなり高まったと思われます。

最新の発表でトヨタの2022年3月末時点の株主数が81万3254人になったことがわかり、1年間で30万人強(6割)増えたことになります。これは、ある大手証券会社が予想した2年で10万人増という予想を大きく上回る結果になりました。

豊田章男社長は「中長期的視点で支えてくれる個人投資家の存在のおかげで私たちは未来への挑戦を続けることができる」とコメントを残しています。

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