はじめに

国内では任天堂、海外ではGoogleも

国内では任天堂(7974)の株式分割(1:10)が予定されていています。

執筆している2022年6月18日現在、任天堂の株価は約56,300円で、購入するには約563万円もの資金が必要です。分割日は10月1日で、その日以降は10分の1の金額で株式を購入することができます。

任天堂のゲームに親しみがある方はかなり多いと思います。企業へのファン的な気持ちや応援する意味で株式を購入する方が増えるのではないでしょうか。

海外では6月にアマゾン(AMZN)が1999年以来、約23年ぶりの株式分割(1:20)をしました。また、アルファベット(旧Google、GOOG)も7月に株式分割(1:20)を予定しています。

株価が高いという理由で長年購入を見送ってきた方々には好機到来かもしれません。個人的には株式分割による市場の活性化に、そして株式投資に興味をもってくださる方が増えることに期待しています。

但し、デメリットもあります。

企業は株主数の増加に伴い株主対応のコストが増える恐れがあります。突然株主優待などを廃止することなども考えられるでしょう。また、株価が安くなる分、業績向上が伴わない時価総額の上昇を招き、投機的な動きが増えてしまう可能性もあります。

古い話になりますが、堀江貴文氏率いる「ライブドア」は株式分割を繰り返し、最後には1:100の大型分割を発表しました。最低取引単位を1株に設定することで、多くの個人投資家を引き寄せることに成功しました。

しかし、2006年1月にライブドア本社に東京地検特捜部の強制捜査が入ったことで、翌日には売り注文が殺到。当時の東京証券取引所のシステム約定件数の上限を超えるとの判断から、東証は、午後2時40分に東証1部、2部、マザーズの全銘柄の取引を強制的に停止する事を発表しました。前代未聞の出来事にマーケット関係者も驚きを隠せませんでした。

現在はこのような大型の株式分割は出来ないようになっています。


最後に株式分割は企業価値が向上する訳でも低下する訳でもない事をお伝えしておきます。

この記事の感想を教えてください。