はじめに
不動産投資の失敗談
──これまで不動産投資で失敗した経験はありますか?
ハワイの物件を買ったときですかね。ハワイに旅行したときに、ちょうど大手高級ホテルがワイキキにできたんですよ。それを聞いてテンションが上がっちゃって(笑)。その高級ホテルが買えるということで、その場で買い付けしたことがあります。
そのときの話では、ホテルとして貸せて収入が入るという立て付けで、そのシミュレーションをデベロッパーがしてくれたんです。もちろん保証されているわけではないのですが、それがまったくのデタラメだったんですよ。
──デタラメ…?
不動産投資をやっていると、よくある失敗例としてキャッシュフローがマイナスになることがあります。賃料から経費を引いて利益が出ても、返済額がもっと大きいからキャッシュフローが回らないという、不動産投資のダメな例ですよね。
でもハワイの不動産は、もっとヤバいんです。賃料から経費を引いた時点でもうマイナスなんですよ(笑)。そして返済をしたらさらにマイナス。高級ホテルですから、経費が莫大なんです。その上コロナ禍で稼働率も上がらない。やればやるほど赤字になっちゃって。結局1億5000万円で買って1億円で手放しました。
──その物件は早々に手放したんですか?
それが結構ずるずるとやっちゃって。4年くらいは持っていましたね。毎月20万から30万円の赤字を垂れ流していました。
──国内の不動産投資での失敗はありますか?
失敗ではないですが、買おうと思って目を付けていた土地が買えなかったことはあります。私は一般の方が買うような土地ではなく、大手デベロッパーが買い付けるような土地を購入するので、タイミングによっては買えないこともあるんですよね。
──ライバルは不動産投資家ではなくデベロッパーなんですね。
私は不動産投資家とは少し違うと思っています。土地を買って建物を建てるのは、デベロッパーのやることなんです。だから、私は一人デベロッパーなんですよ。
私がやっている堀塾も不動産投資塾ですが、じつは一人ベロッパーを育てている「デベロッパー塾」なんです。
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不動産投資のイメージというと、既存のマンション購入などを思い浮かべますが、そのイメージとはまったく違う不動産投資の話を聞くことができました。後編では、これから不動産投資を始めようとしているひとに向けて、最初にやるべきこと、やってはいけないことなど、より具体的なアドバイスを聞きます。
後編はこちら:不動産投資、何から始めていいかわからない−−不動産投資家・堀鉄平に聞く、最初にやるべきこと、やってはいけないこと