はじめに
「節税」と聞くと、個人事業主や法人経営者がやることと思われがちですが、会社員であっても節税は可能です。
今回は会社員ができる節税について、どのような方法があるのかを解説していきます。
所得控除を使う
まず前提として、所得に対する税金の計算方法を紹介します。
(1)所得(事業所得、給与所得等)―(2)所得控除=(3)課税される所得
所得税と住民税で控除の金額や税率は異なりますが、(3)課税される所得×税率で税金の額が計算されます。(3)課税される所得が増えると、税率も5%~45%と段階的に増えていきます。
つまり、所得税と住民税を節税するには(3)課税される所得が減れば良く、(2)所得控除を増やすことで(3)課税される所得を減らすことができます。
「(2)所得控除」の項目としては下記のようなものがあります。
- 基礎控除:合計所得2500万円超の方を除き、所得から差し引ける控除
- 社会保険料控除:本人や配偶者、親族の社会保険料を支払った場合に受けられる控除
- 配偶者控除:控除対象配偶者がいる場合に受けられる控除
- 扶養控除:控除対象扶養親族がいる場合に受けられる控除
- 生命保険料控除:生命保険料、介護医療保険料および個人年金保険料を支払った場合に受けられる控除
- 小規模企業共済等掛金控除:小規模企業共済法に規定された共済契約に基づく掛金等を支払った場合に受けられる控除
- 地震保険料控除:損害保険契約等に係る地震等損害部分の保険料または掛金を支払った場合に受けられる控除
- 寄付金控除:国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対し、「特定寄附金」を支出した場合に受けられる控除
参考:国税庁「所得税のしくみ」
基礎控除や社会保険料控除は年末調整で計算しているかと思いますし、配偶者控除や扶養控除も会社に提出する「扶養控除等申告書」で適用されている場合が多いでしょう。