はじめに

格付けは大手企業の株価にも影響

株式の格付けについては、今月に入り、ムーディーズがスイスの金融大手クレディ・スイスの格付け見通しを引き下げしましたね。シニア無担保債格付けを従来の「Baa1」から「Baa2」へ、長期シニア無担保債務・預金格付けを「A1」から「A2」へと引き下げました。

S&P グローバルも5月に既にクレディ・スイスの長期発行体信用格付けを「BBB+」から「BBB」に引き下げていましたが、8月1日(月)に同行の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げています。

クレディ・スイスが7月27日(水)に発表した2022年4-6月期決算は純損失が15億9000万スイス・フランと予想を上回っており、トマス・ゴットシュタイン最高経営責任者(CEO)の後任に事業再構築の専門家のウルリッヒ・ケルナー氏を起用すると発表していましたが、フランチャイズの安定性に対するリスクの高まりや、経営陣の入れ替えへの先行き不透明感から「明確な戦略の欠如」ということでの引き下げとなったようです。

格付けの引き下げを受けて、クレディ・スイスの株価は6%下落しており、株価へのインパクトというのもあることを改めて感じています。

格付けは、「AAA」という評価が付いた債券や株式が最も安全性が高いといわれています。格付けが低い債券ほど信用リスクが高いといえ、「BBB」以上の格付けを「投資適格格付け」と言い、比較的信用がしっかりしていると考えて良いでしょう。

一方で、「BB」以下は「投機的格付け」と言われており、注意をした方が良い信用の水準だと言えます。「D」になるとデフォルト(債務不履行)し、元本を失う可能性が高いと判断されます。

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